『HUNTER×HUNTER』に登場するヒソカ=モロウは、作中でも屈指の戦闘能力を誇り、幻影旅団の団員すら警戒する危険人物である。

ヒソカの強さは単純な腕力や念能力だけではなく、相手の心理を読み、戦闘中に罠を仕掛け、わずかな隙を利用して勝利を掴み取る戦闘センスにある。さらに、念能力「伸縮自在の愛(バンジーガム)」はゴムとガムの両方の性質を併せ持ち、攻撃・防御・移動・拘束など、使い方次第でさまざまな状況に対応できる。

一見すると地味な能力にも思えるが、その応用力は非常に高く、ヒソカ自身の戦闘技術と組み合わさることで恐ろしい能力となっている。

しかし、そんなヒソカであっても、勝利することが極めて難しい相手は存在する。今回は作中の戦闘描写や念能力の特徴をもとに、ヒソカより強いと考えられるキャラクター10人を紹介していこう。

※本記事には原作のネタバレが含まれます。また、強さの比較には独自の考察を含みます。


1.メルエム|ヒソカではどうすることもできない圧倒的な実力差

まず最初に挙げられるのが、キメラアントの王・メルエムである。結論から言えば、ヒソカがメルエムに勝利することは、ほぼ不可能と言っていいだろう。

メルエムの強さは通常の念能力者とは比較にならず、圧倒的な身体能力、桁外れの耐久力、そして戦闘中に相手の行動を分析する知能など、そのすべてが規格外なのである。

では、ヒソカのバンジーガムは通用するのだろうか。仮にメルエムの身体にバンジーガムを付着させることができたとしても、問題はその先にある。ヒソカがガムを引っ張ったところでメルエムの動きを制限できるとは考えにくく、むしろそのままヒソカ自身が引き寄せられてしまう可能性すらある。

さらに、メルエムの肉体に致命傷を与えられる攻撃手段がヒソカには見当たらない。百式観音の猛攻にも耐え抜いたメルエムに対し、トランプや通常の打撃がどこまで通用するだろうか。

戦闘技術以前に身体能力の差があまりにも大きすぎるため、ヒソカがどれほど巧妙な罠を仕掛けても、その差を覆すことは難しいだろう。

2.ネテロ|バンジーガムを仕掛けることすら難しい

次に挙げたいのが、ハンター協会元会長のアイザック=ネテロである。ネテロの最大の武器は念能力「百式観音」であり、その攻撃速度は凄まじく、キメラアントの王であるメルエムですら容易には突破できなかった。

ここで注目したいのは、ヒソカとの戦闘スタイルの違いである。ヒソカは相手の動きを観察し、バンジーガムを付着させることで戦闘を有利に進めるが、ネテロが相手ではどうだろうか。

ヒソカが間合いに入った瞬間に百式観音の攻撃が飛んでくるため、仮に最初の一撃を回避できたとしても、そこから連続する攻撃に対応できるとは考えにくい。また、バンジーガムをネテロ本人に付着させるためには、まず百式観音の攻撃範囲を突破しなければならず、これが極めて難しいのである。

ヒソカは作中でも優れた反射神経を持つが、ネテロの攻撃速度は別次元と言っていい。ヒソカの得意とする心理戦や駆け引きが成立する前に、勝負が決まってしまう可能性が高い。

3.ネフェルピトー|ヒソカを上回る身体能力と殺傷能力

王直属護衛軍の一人であるネフェルピトーも、ヒソカより強いと考えられるキャラクターの一人である。

ピトーの恐ろしさは圧倒的な身体能力にあり、カイトとの戦闘やゴンとの対峙からも、その戦闘能力の高さがうかがえる。特に驚異的な跳躍力と瞬発力は脅威であり、ヒソカがバンジーガムを利用して高速移動できるのに対し、ピトーは自身の身体能力だけで凄まじい速度の移動を可能としている。

さらに、念能力「黒子舞想(テレプシコーラ)」によって戦闘能力を高めることもできるため、ヒソカが得意とする近距離戦闘でも優位に立てる可能性が高い。

では、ヒソカがピトーを拘束できた場合はどうだろうか。バンジーガムの粘着力は強力だが、ピトーほどの身体能力を持つ相手を完全に封じ込められるかは疑問が残る。仮に拘束に成功したとしても、そこから致命傷を与えることができるとは限らない。

ヒソカが得意とする近距離戦闘において、ピトーの身体能力はあまりにも脅威であり、正面からの戦闘では極めて不利になると考えられる。

4.モントゥトゥユピー|圧倒的な攻撃範囲と耐久力

王直属護衛軍の中でも、特に純粋な戦闘能力に優れているのがモントゥトゥユピーである。ユピーの特徴は肉体を自由に変形させる能力であり、腕を増やしたり身体の一部を巨大化させたりすることで、通常の念能力者では対応が難しい攻撃を繰り出す。

さらに、怒りを利用した爆発的な攻撃も可能であり、この能力はヒソカにとって非常に相性が悪い。

ヒソカはバンジーガムを利用して相手との距離を操作する戦闘を得意としているが、ユピーは広範囲に攻撃を繰り出すことができるため、接近したところで複数の腕による攻撃や爆発に巻き込まれる危険がある。

また、ユピーの耐久力も大きな問題となる。ナックルやシュート、モラウたちが連携しても倒すことができなかった相手に対し、ヒソカが単独でどこまで戦えるだろうか。

攻撃力・耐久力・オーラ量のすべてにおいてユピーが優位に立つと考えられ、ヒソカが勝利することは非常に難しいだろう。

5.シャウアプフ|バンジーガムによる拘束が通用しにくい相手

王直属護衛軍の最後の一人がシャウアプフである。プフはピトーやユピーと比較すると直接的な戦闘描写が少ないものの、王直属護衛軍として膨大なオーラを持つことから、ヒソカより弱いとは考えにくい。

特に厄介なのが念能力「蝿の王(ベルゼブブ)」であり、この能力によってプフは自分の身体を無数の小さな分身に分裂させることができる。

ここで問題になるのがバンジーガムとの相性だ。ヒソカがプフの身体にバンジーガムを付着させたとしても、プフが身体を分裂させれば拘束から逃れられる可能性がある。さらにプフは空中を移動することも可能なため、ヒソカが得意とする近距離での駆け引きに持ち込むこと自体が難しいかもしれない。

ただし、プフには不明な部分も多く、ヒソカを確実に倒せるほどの攻撃手段があるかどうかは原作の描写だけでは判断しにくい。

ヒソカより総合的な能力は高いと考えられるが、実際の勝敗については議論の余地がある相手だ。

6.ゴンさん|ヒソカが望んだ成長の到達点

ヒソカにとって、ゴンは特別な存在である。天空闘技場での戦闘でもヒソカはゴンの成長を楽しみにしていたが、キメラアント編で登場した通称「ゴンさん」は、ヒソカの想像をはるかに超える存在だったのではないだろうか。

ゴンは自らの将来を犠牲にするほどの制約と誓約によって凄まじい力を手に入れ、その結果、王直属護衛軍であるネフェルピトーを圧倒している。

では、この状態のゴンとヒソカが戦ったらどうなるのだろうか。

ヒソカはゴンの戦闘スタイルをよく理解しているため、通常のゴンが相手であれば心理戦やバンジーガムを使った罠で優位に立てる可能性がある。しかし、ゴンさんの場合は話が違う。

圧倒的な速度と攻撃力を前にして、ヒソカが罠を仕掛ける余裕があるかどうかも疑わしく、仮にバンジーガムを付着させたとしても、その力を抑え込めるとは考えにくい。

ヒソカが成長を楽しみにしていたゴンは、皮肉にもヒソカ自身を大きく上回る領域へ到達してしまったのである。

もっとも、この姿は一時的なものであり、通常のゴンと同じように比較することはできない。

7.ジン=フリークス|底知れない念能力と戦闘センス

ゴンの父親であるジン=フリークスは、作中でも屈指の念能力者として描かれているが、その実力には謎が多い。

ネテロから世界で五指に入る念能力者と評価されていたことからも、極めて高い実力を持つことがうかがえる。特に注目したいのが念能力に対する理解力であり、ジンは自分が受けた打撃系の能力を再現するなど、並外れた才能を披露している。

ヒソカも念能力の応用に優れた人物だが、ジンの理解力はそれを上回る可能性がある。バンジーガムの仕組みを短時間で分析し、有効な対処法を見つけ出すことも考えられるだろう。

ただし、ジンの本来の念能力や全力での戦闘はまだ十分に描かれていないため、ヒソカとの勝敗を断定することはできない。

それでも、念能力の知識・応用力・戦闘センスを考慮すると、ジンがヒソカより強い可能性は高いと考えられる。

8.クロロ=ルシルフル|実際にヒソカを倒した男

ここまで紹介した人物とは異なり、実際にヒソカを倒した実績を持つのが幻影旅団団長のクロロ=ルシルフルである。

天空闘技場で行われたヒソカとクロロの戦闘は、作中でも特に複雑な念能力戦の一つだ。クロロは「盗賊の極意(スキルハンター)」によって複数の念能力を使用し、人形を大量に作り出して爆発を利用する戦術でヒソカを追い詰めた。

ヒソカのバンジーガムは単体の相手に対して非常に優れた能力であるが、クロロは多数の人形を利用することでヒソカに次々と対応を迫り、結果として勝利を収めている。

ただし、この戦闘には重要な点がある。クロロは事前に念能力を準備し、自分に有利な戦場を選択していたため、純粋な実力差だけで勝敗が決まったわけではない。

準備を整えたクロロはヒソカを上回った。しかし、何の準備もない状態で戦った場合、同じ結果になるとは限らない。

この点こそ、ヒソカとクロロの強さを比較するうえで最も重要な部分だろう。

9.ゼノ=ゾルディック|経験と技術でヒソカを上回る可能性

ゾルディック家の長老であり、熟練の暗殺者でもあるゼノ=ゾルディック。ゼノの強さは単純な念能力だけではなく、長年の戦闘経験によって培われた判断力と、相手の能力を見極める洞察力にある。

クロロとの戦闘でも相手の能力を分析しながら戦う姿が描かれており、ヒソカと戦えば高度な駆け引きが繰り広げられるだろう。

ここで注目したいのが、ゼノの念能力「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」である。龍を利用した攻撃は射程が長く、ヒソカが得意とする接近戦を妨害できる可能性がある。

一方、ヒソカがバンジーガムをゼノ本人に付着させれば状況は大きく変わるかもしれず、必ずしもゼノが一方的に有利とは言い切れない。

ゼノはヒソカより強い可能性があるものの、実際の勝敗は戦闘距離や状況によって変わると考えられる。

10.シルバ=ゾルディック|圧倒的な身体能力を持つ暗殺者

最後に紹介するのが、ゾルディック家の当主であるシルバ=ゾルディックだ。

シルバは過去に幻影旅団の団員を殺害した実績を持ち、クロロとの戦闘でも高い戦闘能力を披露している。その特徴は鍛え上げられた肉体と強力なオーラ攻撃にあり、ヒソカも高い身体能力を持つものの、純粋なパワーではシルバが上回っている可能性がある。

また、暗殺者としての経験も豊富であるため、ヒソカの仕掛ける罠に簡単に引っかかるとは考えにくい。

実際に戦った場合、ヒソカはバンジーガムによって相手の動きを制限し、接近戦で有利な状況を作り出そうとするはずだ。しかし、シルバの強力なオーラ攻撃を正面から受ければ、ヒソカも無傷では済まないだろう。

もっとも、シルバの能力の全貌は明らかになっていないため、ヒソカを上回る可能性は十分にあるが、確実に勝利できるとまでは言い切れない人物である。


まとめ|ヒソカは最強ではないが、簡単に倒せる相手でもない

今回は、ヒソカより強いと考えられるキャラクター10人を紹介した。

メルエム、ネテロ、王直属護衛軍、そしてゴンさんは、ヒソカを大きく上回る戦闘能力を持っていると考えられる。特にメルエムやネテロに対しては、ヒソカが得意とするバンジーガムを利用した戦術も十分に機能しない可能性が高い。

一方、ジンやクロロ、ゼノ、シルバについては話が変わってくる。これらの人物はヒソカより強い可能性があるものの、念能力の相性や戦闘条件によって勝敗が変わる余地がある。

そもそも『HUNTER×HUNTER』における念能力戦は、単純な強さだけで勝敗が決まるものではない。相手の能力を知らないことが致命的な弱点になる場合もあれば、格上の相手を戦術によって追い詰めることもある。

そして、ヒソカはまさにそうした戦闘を得意とする人物だ。だからこそ、ヒソカより身体能力が高いというだけで、必ずしも勝利できるとは限らない。

ヒソカの本当の恐ろしさは、念能力そのものの強さではなく、単純な能力を最大限に活用する戦闘センスにある。

今後、ヒソカが幻影旅団との戦いでどのような戦術を見せるのか、そしてクロロとの再戦が実現するのか。ヒソカの今後の戦闘にも注目したいところである。