ペットボトルにドライアイスを入れて蓋をすると圧力が上がり破裂する危険があるイラスト

2020年夏。東京では35℃以上の猛暑日が12日間、真夏日に至っては54日間もあったとのこと。暑いのが苦手な筆者は年々猛暑日の日数が増えているのが非常に恐ろしいと感じずにはいられません。

今回はそんな夏の暑~い季節に活躍するドライアイスに関する注意事項をリサーチしてみました。
冷凍製品を買ったときにもお世話になることが多い身近な保冷剤も、使い方次第では重大な事故を起こす危険性を秘めているのです。
知っているようでうまく説明できない、ドライアイスについての見識を深めていきましょう。

ドライアイスとは?

氷とは全く異なる物質

炭酸ガス(二酸化炭素)を固形成形し固めた超低温の個体です。それ自体の温度はマイナス78.5℃と極めて低温で一見すると氷のようにも見えます。しかし溶けても氷のように液体にはならず、周囲の熱を奪いながら直接気化し炭酸ガスとして空気中に拡散されるのです。
筆者も昔は白いモヤモヤ自体がドライアイスだと思っていました。

気化すると空気よりも重い

放出されたガスは空気よりも比重が1.5倍程重く、そのため低位置にとどまる傾向(性質)があります。また気化した場合元の個体の体積の750倍ほどにも増加します。

白い煙は空気中の水分が冷やされたもの

ドライアイスは気化する時に周囲の熱を奪います。周囲の大気中に含まれる水分が気化した炭酸ガスに触れることで急激に冷やされ小さな氷の粒に凝縮するため白くひんやりとした煙(に見える)が発生するのです。

事故は子供が多い

ドライアイスが原因の事故は気温が上がる夏場に多く発生しています。またその多くは子供が関わっていることが多いのです。

大量に吸い込むと酸欠・中毒症状になる

二酸化炭素中毒

7月にワゴン車にて数百キロのドライアイスを運搬中、漏れ出た炭酸ガス(二酸化炭素)が車内に充満し、二酸化炭素中毒で病院に運ばれる事故がありました。
幸いにも今回は命に別状はなかったのですが、厚生労働省の「職場安全サイト」によると過去には同様に車両でドライアイスを運搬中に漏れ出た炭酸ガスによって酸欠となり死亡した事故も起きていることが記載されています。

ドライアイスは“危険物【ガス】”である

ガスには7つの分類がありドライアイス(二酸化炭素)は「不活性ガス」という種類に入ります。この不活性ガスには二酸化炭素の他、窒素やヘリウムなどがありそれ自身は無害なのですが、大量に吸い込むことで酸欠を起こす危険性があるのです。
そして不活性ガスを取り扱う際には酸欠に注意する事と、空気よりも重い為地下等で貯蔵するとガス漏れによる窒息を招きやすい事を注意する必要があることを覚えておきましょう。

酸欠を防ぐために

ドライアイスを取り扱う際は必ず換気ができる場所で扱うようにし、常に窓やドアを開けておくようにしましょう。地下室や窓のない部屋、閉めきった車両などでの取り扱いは危険すぎるためやめましょうね。

ドライアイスを車内で保管するのは危険なイラスト

イラスト出典:イラストメメ

瓶やペットボトル等の密閉容器に入れると破裂する

気化すると体積が増えるため

ドライアイスが気化すると体積が元の個体の時から750倍にも膨れ上がります。
ペットボトルや瓶容器などの密封性の高い容器の中では気化した炭酸ガスは逃げ場が亡くなり時間の経過とともに内部に圧力がかかり続け、やがて容器ごと破裂してしまう危険があります。

またドライアイスを水に入れることで気化が速くなり、容器内の圧力が急激に高まり破裂の危険性も高まります。危ないので絶対にやめましょう。

保存の際は発砲スチロールや段ボールの箱に入れる

ドライアイスの運搬・保管には専用のトランクや、発泡スチロール、段ボールなどの箱に入れておきましょう。
中でも発砲スチロールの箱が適していますがドライアイスの完全な保存はできません。少しづつですがドライアイスは気化していきます。
できる限り長く保存するために、外気に触れないようにする、サイズの合った入れ物、低温状態での保管、個別に新聞紙などで包むなどを心がけましょう。
くれぐれも瓶などの密封容器での保管は避けましょう。

ペットボトルにドライアイスを入れて蓋をすると圧力が上がり破裂する危険があるイラスト

皮膚に触ると凍傷になる

摂氏78.5度

ドライアイスの温度はマイナス78℃と非常に低温の物質です。これを触接素手で触ったり、口に含んだりすると凍傷になる危険があります。特に小さな子供はドライアイスで遊んで怪我をするケースが多く報告されているとのことです。
ドライアイスを使用する際は子供の手の届かないところに置くようにしましょう。」

厚手の保護手袋を使用する

触るときは直接手で触らずに乾燥した軍手専用の防寒耐性のある厚手の手袋を直用し、長時間触れっぱなしにならないようにしましょう。特に濡れた手で触ると非常に危険なので絶対にやめましょう

氷の代わりとして飲み物に入れない

有害ではないが…

ドライアイス自体は二酸化炭素なので飲み物に溶かして飲んでも毒性はなく、大半は気化し空気中に消えるかごく微量が水に溶ける程度です。
しかしドライアイス自体が食用として製造されていないため保管時の衛生状態にもよりますが、ゴミなどの不純物が付着している可能性もあるかもしれません。もしかしたら溶け残ったドライアイスを一緒に飲み込んでしまうかもしれません。
あまりお勧めできる方法ではないので飲み物に使用するのはできる限り避けましょう。

間接的に冷却する

食品添加物ではないため飲み物や食材を冷やす際は直接接触させずに、包装する等して間接的に冷やすようにしましょう。あくまで保冷剤として使いましょう。
またソーダのように炭酸飲料として使用することもできません。

ドライアイスの雑学

保冷には商品より上に置く

気化した炭酸ガスは空気よりも1.5倍程重い為低い位置にとどまる性質を持っています。そのため食材の保冷時はドライアイスを食品よりも上の位置に設置し冷気が上から下へ流れるようにしましょう。くれぐれも直接ドライアイスを乗せたりしないようにしましょう。食材が凍り付いてしまいます。

精密機器のドライアイス洗浄

水や洗剤、溶剤を使えない精密機器などの洗浄にドライアイスが使われています。あまり一般では見かけませんが製造業などで近年良く使用されている洗浄方法です。

さわし柿・渋抜きとして使う

さわし柿とはアルコールなどを使い柿の渋みを抜いた柿のことです。柿の呼吸する性質を利用してドライアイスを使った渋抜き方法が簡単で利用されています。※詳しくは「ドライアイス さわし柿」などで検索してみると沢山ヒットしますよ