椎茸皮膚炎のイラスト

秋も深まり気温がグッと下がってくるこの時期、ニュースを見ているとキノコに関する話題が増えてきます。とりわけ毒キノコを誤食したことによる食中毒のニュースは毎年必ず起きていますね。
どれほど慣れていても、専門家でさえキノコの判別は難しいと言われており、どうしても間違いは起きるのだとか。
私もキノコは大好きでキノコ狩りのシーズンになると毎年専門家の方達の後にくっついて参加させてもらっている身ですが、正直何年たっても自分で判別できる気がいたしません…(情けないことですが)

シイタケは生で食べてはいけない

シイタケ皮膚炎とは

先日そんなキノコ専門家の方からシイタケ皮膚炎に気を付けてね、という風に忠告をいただきました。
その言葉を聞いた瞬間は「???」でしたが、よくよく聞くと結構有名な病気なんだとか。冗談のように聞こえますが実際にある病気で、その名前の通りシイタケを食べることで稀に発症する症状なのです。

原因は加熱不足のシイタケ

シイタケ皮膚炎になる原因は主に生もしくは加熱不足のシイタケを食べると発症するというものです。
また生でなくても干しシイタケやシイタケのだし汁・シイタケチップス等でも発症の事例があるとのこと。詳しい原因は解明されていないのですがどうやらシイタケに含まれている「レンチナン」と呼ばれる成分が関係しているらしいのです。

どの様な症状が出るのか?

シイタケ皮膚炎になるとお腹や、胸、背中など全身に痒みを伴い、掻いた跡が引っ掻き傷のように線状にしばらくの間残るというものです。また細かい紅斑なども見られます。
特徴的な皮疹であるため皮膚を見ることで容易に診断が付く疾患といわれています。

症状が出たらどうしたらいいの?

シイタケ皮膚炎は食べてから数時間から数日の間に皮膚に異変が生じる可能性があるということです
摂取量や症状の状態、体質などで個人差はあるようですが、きちんと治療を受けていれば2週間以内には治るとのこと。命にかかわるものではないが症状が出た場合は早めに皮膚科を受診し見てもらうようにした方がいいでしょう。
シイタケ皮膚炎が発症した場合、次も同じようにシイタケを食べてシイタケ皮膚炎になるかというとそういうものでもないらしいのです。発症したからといって今後シイタケが食べられなくなるという心配は少なそうですね。

バーベキューの時に要注意

ちなみに夏のバーベキューの時期に多いという報告もあるそうです。バーベキューのようなパーティの時はその場の雰囲気というかノリでで食材の焼き加減をよく見ずに食べてしまうからかもしれません。どんな時でも周りに流されず、しっかりと確認してから食べることが大事という事ですね。

シイタケの取り扱い方法

美味しいシイタケを選ぶ方法

シイタケを買うときに美味しいものを選ぶ目安となる目利きの方法を記述します。まずシイタケはカサの部分が開ききっておらずに丸みを帯びていてカサの端に巻き込みがあり肉厚なものを選びましょう。カサが開いていると傷みやすく厚みも薄い為触感も良くないからなのです。
また内側のヒダが白く綺麗に並んでいるものが鮮度が良い証拠です。逆に水分が付いているものや弾力が無いものは傷みやすく避けるようにしましょう。
最後にシイタケの軸の部分が短く太いものがよいとされています。
ちなみに色が所々黒く変色ししなびているモノは傷んできているので避けるようにしましょう。

椎茸の選び方のイラスト

イラスト出典:イラストメメ

シイタケの保存方法

シイタケは水分を嫌います。
濡れている状態だと傷みやすくなり、その分保存期間も短くなってしまうのです。買ってきたシイタケを保存する場合は「洗わずに」新聞紙やキッチンペーパーなどの水分を吸収できる素材で包んでから冷蔵庫で保管するようにしましょう。このときシイタケの向きは「ヒダ」を上向きに置くことで胞子が落ちることを防ぎ美味しさを保つことができます。
スーパーで売られている状態のトレーにラップで包装しただけではトレーの中が蒸れて水滴が発生してしまいシイタケにとってあまり良い状態とは言えなくなります。
多少手間がかかると言えシイタケをすぐに消費する予定がないのであればひと手間加えてでもやる価値はあるでしょう。
ちなみに冷蔵庫の場合保存期間は1週間程度です。

冷凍庫で保存する場合

冷凍庫で凍らせると冷蔵庫よりも長持ちさせることができます。
冷凍庫に入れる前に事前に適当な大きさ(もしくは石づきをカット)に切っておくことで次回の調理時にそのまま使えて便利です。
ただし凍らせることでどうしても解凍後水っぽくなるため鍋物や煮込み料理用としての用途が適しています。
保尊期間は1か月程度です。

シイタケの種類

シイタケの育て方は2パターンある

シイタケには栽培方法によって2種類に分けられています。ひとつは「原木栽培(げんぼくさいばい)」と呼ばれる方法でクヌギやコナラ・ミズナラなどの天然の木を使い、原木に穴をあけキノコの元となる菌を植え付けて育てる方法です。
倒れた木からキノコが生えている様はザ・キノコのイメージそのままの育て方でしょう。天然ものに近い育て方といえます。
もう一つが「菌床栽培(きんしょうさいばい)」と呼ばれる方法です。こちらはどちらかというと野菜工場のようなイメージがあっているかもしれませんね。天然の木材の代わりにオガクズなどの粉砕した木材に米ぬかなどを加えて成型したものにキノコの菌を植えて育てる方法です。施設(ハウス)内の徹底管理された環境で作るため品質が安定しており年間を通して出荷できるというメリットがあります。

干しシイタケの種類は2つと+α

干しシイタケにはカサの開き具合によって呼び方が変わります。
冬菇(どんこ)はカサが開き切らないうちに収穫されたもので肉厚で全体的に丸みを帯びているのが特徴です。味や香りもよく高級感があります。
冬菇のカサの表面に白く亀裂が入り割れていて、花のように見えるものは花冬菇とも呼ばれま」
香信(こうしん)はカサがひらいたもので全体的に平べったい形をしています。冬菇に比べ触感は落ちますが価格の綿で割安であり、どんな料理にもなじませやすいという点があります。

シイタケの効能

食物繊維がたっぷり便秘予防

シイタケには食物繊維がたっぷり含まれています。食物繊維は善玉菌を増やし腸内環境を改善し便秘の予防効果があります。また血糖値の抑制や生活習慣病にも効果があるとされています。

カルシウムの吸収を助ける

シイタケに含まれている「エルゴステロール」と呼ばれる成分は紫外線を受けることでビタミンDに変化します。これによりカルシウムの吸収を助け骨や歯の健康を保つのに役立っているのです。

免疫力アップ

シイタケに含まれる成分には体の免疫力を高める働きがあるとされています。冬の寒い時期に、美味しいシイタケを食べながら体調管理にも役立つ便利な食材です。