はじめに
グリードアイランド編でゴンを圧倒したゲンスルーと、ヨークシン編で幻影旅団のウボォーギンを倒したクラピカ。この2人が戦った場合、果たしてどちらが勝つのだろうか。
一見すると、ウボォーギンを倒したクラピカの方が圧倒的に強いように思えるけど、実際に両者の念能力を比較してみると、そこまで単純な話ではないことがわかる。
というのも、クラピカがウボォーギンを倒す決め手となった「束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)」は、幻影旅団のメンバーにしか使用できないという厳しい制約があるからだ。
つまり、ゲンスルーとの戦闘ではクラピカの切り札の一つが最初から封じられていることになる。
一方、ゲンスルーは「一握りの火薬(リトルフラワー)」による接触爆破だけでなく、高い格闘技術と念の攻防力移動を身につけた実力者。ゴンとの戦闘でも終始優勢に立っており、決して簡単に倒せる相手ではない。
では、チェーンジェイルを使えないクラピカは、ゲンスルーに勝つことができるのか。
今回はヨークシン編から王位継承戦編までに判明しているクラピカの能力を踏まえながら、両者が事前準備なしで戦った場合の勝敗を考えてみたい。
ゲンスルーの格闘能力はクラピカより高い?
まず気になるのが、両者の純粋な格闘能力の差。
ゲンスルーはグリードアイランド編でゴンを圧倒しているけど、この戦闘を振り返ると、単純な身体能力だけでなく念の技術にもかなり優れていることがわかる。
特に注目したいのが、攻防力移動の巧みさだろう。
ゲンスルーはゴンの攻撃に合わせてオーラを配分し、相手の防御が薄くなった部分を狙って攻撃を仕掛けている。ゴンもビスケの指導によって念の基礎を鍛えていたものの、実戦での判断力やオーラ操作ではゲンスルーに大きく劣っていた。
このことから、ゲンスルーはリトルフラワーに頼らなくても、かなり高い水準で格闘戦をこなせる能力者だと考えられる。
では、クラピカはどうか。
クラピカはヨークシン編でウボォーギンと戦い、強化系の中でも突出した身体能力を持つ相手に対応している。
ただし、この戦闘では緋の眼による特質系への変化と「絶対時間(エンペラータイム)」を使用しており、通常状態のクラピカがウボォーギンと同じように戦えたとは限らない。
さらに、ウボォーギン戦ではチェーンジェイルという明確な勝利手段があったため、ゲンスルーとの戦闘にそのまま当てはめるのは難しいところ。
通常状態での格闘能力だけを比較するなら、私はゲンスルーがやや有利なのではないかと思う。
もっとも、クラピカは念能力を習得してから比較的短い期間でウボォーギンと渡り合えるほど成長しており、身体能力や戦闘センスが低いわけではない。
あくまで通常状態での格闘経験を比較した場合、ゲンスルーの方が安定した戦いを見せる可能性があるという話だ。
クラピカはチェーンジェイルを使えない
この対戦を考えるうえで、最も重要なのがチェーンジェイルの制約だろう。
クラピカのチェーンジェイルは、対象を鎖で拘束して強制的に絶の状態へ追い込む能力であり、ウボォーギンのような強力な念能力者であっても、捕まってしまえば念による防御ができなくなる。
しかし、クラピカはこの能力を幻影旅団以外の人物に使用しないという制約を設けており、違反すれば命を失う。
つまり、ゲンスルーに対してチェーンジェイルを使用することはできない。
ここがウボォーギン戦との決定的な違いになる。
ウボォーギン戦では、クラピカはチェーンジェイルによって相手を拘束し、念能力を封じたうえで勝利しているけど、ゲンスルーとの戦闘では同じ戦法を使えないため、別の方法で相手を倒さなければならない。
では、チェーンジェイルを封じられたクラピカには、ゲンスルーを倒す手段がないのだろうか。
私はそうは思わない。
クラピカにはほかにも複数の鎖があり、特にエンペラータイムと「奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)」の組み合わせは、ゲンスルーにとって相当厄介な能力になると考えている。
エンペラータイムを使えばクラピカが圧倒する?
クラピカの最大の強みといえば、緋の眼になった際に使用できるエンペラータイムだろう。
この能力は、各系統の念能力をクラピカ自身の習得可能なレベルの範囲内で、100%の精度で扱えるというもの。
よく誤解されがちだけど、すべての系統の能力を無条件で最高レベルまで使用できるわけではなく、あくまでクラピカが習得した能力を高い精度で発揮できるという仕組みになっている。
それでも、この能力が戦闘に与える影響は非常に大きい。
ヨークシン編ではウボォーギンの攻撃を受けながら戦い、強化系の能力を高い精度で扱うことで、通常状態では難しい戦闘を成立させていた。
では、ゲンスルーのリトルフラワーを受けた場合はどうなるのか。
リトルフラワーは接触した対象を爆破する能力だけど、ゲンスルー自身も爆発から手を守るためにオーラを使用しているため、相手の防御力によってはダメージを軽減される可能性がある。
クラピカがエンペラータイムを使用し、攻撃される部位に十分なオーラを集中できれば、リトルフラワーによるダメージを抑えられるかもしれない。
ただし、完全に防御できるかどうかは別問題。
ゲンスルーは攻防力移動に優れており、相手が爆発を警戒して特定の部位にオーラを集中させれば、別の場所を攻撃することも考えられる。
エンペラータイムがあるからといって、クラピカが無条件でゲンスルーを圧倒できるとは限らないだろう。
スチールチェーンはリトルフラワーを奪えるのか?
ここで注目したいのが、王位継承戦編で明らかになったスチールチェーンの存在。
スチールチェーンは、先端の注射器を対象に刺すことでオーラを吸収し、念能力を一時的に奪うことができる能力だ。
この能力がゲンスルーに通用するなら、戦況は大きく変わることになる。
例えば、クラピカがスチールチェーンをゲンスルーに刺し、リトルフラワーを奪うことができれば、ゲンスルーは主力となる攻撃手段を一時的に失う可能性がある。
ただし、スチールチェーンは相手に注射器を刺す必要があるため、ゲンスルーとの接近戦では相応の危険が伴う。
特にゲンスルーは相手の身体に触れるだけで爆発を起こせるため、クラピカがスチールチェーンを命中させようとした瞬間、逆にリトルフラワーを受ける可能性もある。
また、ゲンスルーはリトルフラワーだけでなくカウントダウンも使用できるため、どの能力を奪えるのかによって戦況は変わってくるだろう。
それでも、チェーンジェイルが使用できない状況で相手の念能力を封じられる可能性があるという点は、クラピカにとって非常に大きな強みになる。
クラピカのジャッジメントチェーンはゲンスルーに通用する?
もう一つ考えておきたいのが、「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」の存在。
この能力は対象の心臓に鎖を巻き付け、設定した条件に違反した場合に命を奪うというもので、エンペラータイムを使用することで幻影旅団以外の人物にも使用できる。
つまり、ゲンスルーに対しても使用すること自体は可能だと考えられる。
ただし、ここで問題になるのが、クラピカがどうやってゲンスルーの心臓に鎖を刺すのかという点だ。
ウボォーギン戦ではチェーンジェイルによって相手を拘束した状態でジャッジメントチェーンを使用しているため、動き回る相手に直接命中させられるかどうかは不明。
ゲンスルーは格闘能力が高く、接近すればリトルフラワーによる反撃も可能なので、クラピカが簡単にジャッジメントチェーンを決められるとは考えにくい。
ただ、スチールチェーンで相手の能力を奪うことに成功した場合や、戦闘によってゲンスルーの動きを封じられた場合には、ジャッジメントチェーンが決定打になる可能性もある。
このことから、クラピカはチェーンジェイルを使えなくても、相手を無力化する手段を複数持っていることがわかる。
ゲンスルーのカウントダウンはクラピカに通用するのか?
ここまではクラピカの能力を中心に考えてきたけど、ゲンスルーにも「命の音(カウントダウン)」という強力な切り札がある。
カウントダウンは、条件を満たした相手に爆弾を設置し、一定の時間が経過すると爆発する能力で、グリードアイランド編では多数のプレイヤーを脅迫するために使用されていた。
この能力の恐ろしいところは、直接戦闘を行わなくても相手を追い詰められる点にある。
もしゲンスルーがクラピカに接触し、能力の説明を含む発動条件を満たせた場合、クラピカは爆弾を解除するために行動しなければならなくなる。
ただし、クラピカは念能力の分析力が非常に高く、相手の発言や行動から能力の仕組みを推測することに長けている。
ゲンスルーがカウントダウンを仕掛けようとしても、不自然な接触や説明に警戒する可能性は高いだろう。
さらに、カウントダウンは発動条件を満たすまでに時間がかかるため、正面からの短期決戦では使いにくい能力でもある。
事前に仕掛けられる状況ならゲンスルーにも大きな勝機があるけど、突然遭遇して戦闘が始まる場合には、リトルフラワーを中心に戦うことになるのではないだろうか。
エンペラータイムの寿命消費が勝敗を左右する?
クラピカがゲンスルーより有利だとしても、忘れてはいけないのがエンペラータイムの代償だ。
王位継承戦編では、エンペラータイムを1秒使用するごとに寿命が1時間縮むという制約が明らかになっている。
これは戦闘能力を直接低下させるものではないけど、長時間使用することが極めて危険な能力であることは間違いない。
例えば、ゲンスルーがクラピカの能力を警戒して距離を取り、戦闘を長引かせた場合、クラピカはエンペラータイムを使い続けるか、それとも解除して通常状態で戦うかという判断を迫られる。
もちろん、ゲンスルーがこの制約を知らなければ、意図的に寿命を消費させる戦術を取ることは難しい。
それでも、クラピカが短時間で決着をつけたい理由があるという点は、ゲンスルーにとって有利に働く可能性がある。
逆に、クラピカがスチールチェーンなどを利用して早期に相手を無力化できれば、寿命の消費を最小限に抑えながら勝利することもできるだろう。
このあたりは、両者の戦闘がどのような展開になるかによって大きく変わりそうだ。
結論:ゲンスルーVSクラピカはどちらが勝つ?
ここまで考察してみると、通常状態での格闘能力はゲンスルーがやや有利な可能性があるものの、エンペラータイムやスチールチェーンを含めた総合的な戦闘能力では、クラピカが上回るのではないかと思う。
個人的な予想では、クラピカ65%、ゲンスルー35%程度。
ただし、これは王位継承戦編までに判明しているクラピカの能力を使用できるという条件であり、ヨークシン編当時のクラピカに限定した場合は、もっと接戦になる可能性がある。
特にチェーンジェイルを使えないという制約は大きく、ウボォーギンを倒したからといって、ゲンスルーにも簡単に勝てるとは限らない。
それでも、エンペラータイムによる攻防力の向上に加え、スチールチェーンによって相手の念能力を奪える可能性があることを考えると、クラピカの方が勝利につながる選択肢を多く持っているように思える。
一方、ゲンスルーにも高い格闘技術とリトルフラワーという強力な攻撃手段があり、クラピカが鎖を命中させる前に接近戦で大きなダメージを与えられれば、十分に勝機は残されている。
結局のところ、この対戦で最も重要なのは、クラピカがゲンスルーの接近を防ぎながら鎖の能力を有効に使えるかどうかだろう。
クラピカは幻影旅団に対して特別な強さを発揮する能力者だけど、旅団以外の相手にも対応できる能力を備えている。その意味では、ゲンスルーのような純粋な戦闘技術に優れた念能力者との対戦こそ、クラピカ本来の実力を測るうえで興味深い組み合わせなのではないだろうか。

