ホタルイカのことが少しだけ詳しくなるそんな記事です
ホタルイカを知ろう
寿命は約一年
ホタルイカは体長数センチ程度の小さなイカの仲間で日本海を中心に日本の周辺海域に分布しています。ホタルと名付けられているように蛍のように発光し、全身が青白く光るのが特徴です。
寿命は1年ほどと短く、普段は海の深いところ水深数百メートルに生息しています。しかし産卵時期になると岸近くまで集まってくるためその時期がホタルイカの漁の時期となっているのです。
獲れる時期は3月から6月頃が旬となり、最盛期は4月から5月の間と以外と短いのです。
産地限定食材だった?
昔はホタルイカの産地で食べられていただけのマイナーな食材でしたが近年の輸送・冷凍技術のおかげで全国どこでも取り扱う事ができるようになったのです。
生のホタルイカは少ない?
さていきなりホタルイカの生態のお話をさせていただきましたが、普段ホタルイカはどのようにして食べられているでしょうか?スーパーなどではボイルされたホタルイカがパックにモリモリに詰められて売られているのをよく見かける事と思います。
ただ以外にも生で売られているのは少ないと思いませんか?実はこれには理由があるのです。ホタルイカの内臓には旋尾線虫と呼ばれる寄生虫がいることがあります。
内臓ごと生で食べてしまうとこの寄生虫に感染する危険性があります。
感染は近代化による弊害だった?
近年は旋尾線虫に感染する事例が逆に増えていると言います。
これは食文化の多様化に加え、どこにいても新鮮な海産物を生で食べることができるようになった現代の利器の弊害ともいえるのでしょうね。
旋尾線虫を知ろう
どんな寄生虫なの?
元々はヒト以外に寄生している寄生虫の一種で大きさは5㎜~10㎜程度の糸のような姿形をしています。
ヒトは固有宿主ではないので成虫にまで成長はせずに幼虫のまま体内を動き回ることになります。このときに色々と体に悪さを起こしてしまうのですね。
どんな症状になるの?
寄生されてしまうと1~2週間ほどで皮膚爬行症と呼ばれるミミズ腫れのような炎症反応がみられるようになります。これは寄生虫が体内を徘徊した後に起きる現象です。
それ以外にも腹痛や吐き気、嘔吐など、重症化すると腸閉塞になり手術が必要な場合もあるとのことで決して油断できない寄生虫なのです。
重症化しなければほおっておいても数か月程度で治癒するとされていますがやはり医療機関でしっかりと見てもらう方が安心ですね。
どんな魚に寄生しているの?
ホタルイカ以外にもスルメイカやハタハタ、スケトウダラ、アンコウなどの魚介類の内臓に寄生していることが多いとされています。これらの魚を食べる際は生で内臓を食することはできるだけ避けたほうが良いでしょう。
感染予防のためにできる事
しっかりと加熱調理をする
幼虫は熱に弱い為沸騰したお湯の中に30秒以上漬け込みしっかりと中心部まで60℃以上の高温で加熱することで死滅させることが可能です。
適切な冷凍処理を行う
生食する場合はマイナス30℃の冷凍処理で4日間以上冷凍するか、マイナス35℃以上の状態で15時間以上、もしくはマイナス40以上であれば40分以上の冷凍保存をすることが望ましいとされています。
生食を避ける
旋尾線虫は内臓に寄生しているため未冷凍の生のホタルイカの踊り食いは感染の危険性が高いと考えられています。生で食べる場合でも内臓を除去した上で食べるとリスクが減るとされていますが万全を期すためにもしっかりと加熱調理を行う事が推奨されています。
ホタルイカ雑学
昔はマツイカ、ホタルイカ名前の由来
昔ホタルイカはマツイカやコイカなどと呼ばれていました。しかしその後、東京大学教授である渡瀬庄三郎博士が富山県にて光を放つイカがいることを知りホタルイカを研究し、明治38年にホタルのように光ることから「ホタルイカ」と命名したのです。
日本のホタルイカだけが食用になっている
世界的にみればホタルイカの仲間は大量に生息しているが人が食用としているのは日本のホタルイカだけなのです。理由は諸説ありますがなぜ日本だけなのかというよりも、ホタルイカを食べている日本の方が珍しいのかもしれませんね。
ホタルイカの身投げ
産卵のために海岸の近くまでやってきたホタルイカが大量に砂浜に打ち上げられること。なぜこのようなことになるのかは詳しくわかってはいないが一説によると産卵によって体力を使い果たし潮の満ち引きによって起きに戻れなくなったからといわれている。
夜になると打ち上げられたホタルイカが発行し砂浜が青く光って綺麗に見える。この現象がみられるのは産卵時期である2月下旬ごろから5月にかけて。ちなみになかなか見ることが難しいので根気がいるとのこと。