シラス丼のイメージイラスト

カルシウム不足が懸念される現代の食事情に置いて有用とされている食材の一つとされているのがシラスです。単体としてみれば主食にはならないけれども食卓になくてはならない存在感みたいなものがありますよね。今回はそんなシラスに関するちょっと怖~いお話を紹介したいと思います。

そもそも何の魚?

元々シラスというのは1つの魚の名称ではありません。カタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシ、その他ウナギや、ニシン、イカナゴなどの魚の稚魚の総称のことを言っています。稚魚の段階だとこれらの魚は白っぽい透明色をしているため見た目ではほとんど同じに見えるのです。

ただ近年ではシラスといえばカタクチイワシが割合で最も多くなっており逆にウナギの稚魚はほぼないようなのです。…まぁ昨今のウナギの状況を考えれば当然そうなりますよね。

デリケートな魚

シラスは全国の販売店で年中見かけることができる普遍的な存在ですが、実のところとても傷みやすい魚なのです。冷蔵庫がなかった昔は水揚げされた産地でしか食べられず全国で販売できるような魚ではありませんでした。それを可能にしているのが冷凍・運送技術の進歩であり科学の力というわけです。

それでも普段パックで売られているもののほとんどが一度湯で揚げた状態の釜揚げシラスや天日干したシラス干し(チリメンジャコや太白ちりめん等)などの状態だと思います。生のシラスをあまり見かけないのは“傷みやすい”という側面が関係しているのです。

どんな寄生虫?

写真の出典:東京都福祉保健局HP

シラスには大複殖門条虫という主にヒゲクジラを最終宿主とする寄生虫が潜んでいます。この寄生虫は人間にも寄生し、1894年に確認されて以来日本では270件以上の感染症例があるとのことです。その体の大きさは3~6mにもなり寄生虫の中でも非常に大型の部類に入ります。

<大複殖門条虫とは>

感染するとどうなる?

自覚できる病状として腹痛や下痢、腹部の違和感、全身倦怠感、悪寒、食欲不振などの消化器系の症状が現れます。症状自体は軽く、命にかかわるようなことはほぼないとされ無症状・無自覚で終わるなんて人も多いといわれています。これは大複殖門条虫自体が人間に対して寄生するのに適応している生き物ではないため大半が自然と体外に排出されるからなのです。

また大複殖門条虫による症例は日本に集中しており世界的に見ても最も多く有名で(不本意な意味)寿司や刺身など生の魚を食べる習慣がある日本の食事情が大きく影響していると考えられています。

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感染元はわからない

シラスのほかに感染源の候補であるイワシは明確に特定されたデータはないものの、患者の多くがイワシの産卵海域に近い地域に住んでいることや、イワシの刺身や内臓を含む料理を生で食る習慣があることからイワシからの感染の可能性は高いと考えられています。

1997年には厚生省によって大複殖門条虫は特に対策が必要な寄生蠕虫10種の1つとして挙げられておりイワシやシラスは寄生虫の危険性あるため生で食べることは避けるようにとの記載があります。過剰に反応する必要もないとは言え寄生虫の危険性もある程度は考慮しておいた方がいいということでしょうね

どうすれば予防できるの?

基本的にシラスを生で食べるべきではないでしょう。必ず中心部まで加熱するもしくは冷凍処理をして寄生虫を死滅させることが重要です。

注意事項として醤油や酢、ワサビなどの調味料に付けても死ぬことはないということと、時間(長時間付け込んでも生きている)も関係ないといいうことは知っておきましょう。他にも獲れたてで新鮮だから大丈夫という逸話は時折耳にしますがそのような確証はありません。むしろ踊り食いのように生き物を内臓ごと食べるような行為は寄生虫による感染リスクが高い為絶対にやってはいけない行為です。

普段からできること

感染症の対策としての基本である生の食材に触れた包丁やまな板等の調理器具は絶対に料理を盛り付けるお皿やお箸などと一緒に使わない事です。食材をしっかりと加熱しても周囲の環境が雑菌や寄生虫に汚染されていると全く意味がありません。少し手間かもしれませんが調理に使用する器具は調理前と調理後でしっかりと区別し、それらが接触しないように注意しましょう。

手洗いは感染予防の最も基本的な行動です。近年世界的なウィルスの感染拡大でも予防方法として周知されていますね。主に調理の前後、食事の前や外出から帰ってきた後、動物や生の食材を触った後等は手や身体に雑菌が付着している可能性が高い為しっかりと「正しい手洗い方法」で手を洗いましょう。

直接的な感染とは少し離れますが普段からの健康的で規則正しい生活を送ることも大切です。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠と規則正しい生活リズム、お酒やタバコなどは控えるなどによって体の免疫機能を高め感染した際に重症化することを軽減させることも可能です。

まとめ

生き物には大なり小なり必ず寄生虫は存在しています。普段食べている食材の中から完全に異物を取り除くことは不可能ですし現実的ではありません。大切なことは感染しないように知識として予防方法を覚えておくことと確実に行う事です。

寄生虫をはじめとした感染症は一度感染してしまうと長期間の治療が必要になったり、症状によっては重症化し後遺症が残るなど心身に大きなダメージを負うことがあります。そうならないために普段の生活の中で自分でできる範囲でいいのでしっかりと感染予防の対策を行う事が大事なのです。

どんな食品にも言えることですが生で食べるという事にかんして言えば絶対に安全であるという保障は無いという事です。(生で食べると凄く美味しいんですけどね)

雑学

シラス干しの呼び方
水分量 名称:シラス干しの呼び方は乾燥具合と食材に含まれる水分保有量によって呼び方が変わります。
80~90% 釜揚げ、しらす
65~70% シラス干し、弱干
50~60% 中上干(太白、やわ干し、やわ乾、普通干し)
~40% 上干(ちりめん、ちりめんじゃこ、かちり)

シラスと似ている名称の魚たち:シラスと似ている魚にシロウオやシラウオいるがこれらの魚は全く別の種類。3種とも白く半透明のメダカのように小さい魚だが、シラスはカタクチイワシやウナギなどの稚魚の総称であり固有の魚に要いられる名前ではない。対してシロウオはスズキ目ハゼ科に属しているれっきとした魚の名称。

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