出典:日本緑化センター

秋口から本格的にキャンプ、登山のシーズンに入り、火を使った活動が増えてくる時期ですね。ここで注意してほしいのは指定された場所以外での林内などでの直火は絶対にしてはいけないという事です。

景観の悪化や火事の原因となることもさることながら、直火が原因で起きる「つちくらげ病」と呼ばれる木の病気が引き起こされるのです。

今回は直火による危険な伝染病について紹介していきます。

ーーつちくらげってどんなキノコ?

つちくらげとは子嚢菌門と呼ばれるキノコの一種で、茶もしくは茶褐色で脳みそのような形をしています。大きさは直径数センチ~数十センチほどで乾燥すると縮小し色は黒く堅固になり、長い期間腐ることなくその場所に残り続けます。

主に茨城県以北の太平洋沿岸や日本海沿岸などの海岸線に自生し、梅雨や秋雨のような雨の多い時期に地面に張り付くように発生しているのをみかけることが来ます。

特徴として焚火や山火事などで地面が温められると、土の中で眠っていた菌の胞子が発芽し、高密度の菌糸が木の根を侵し枯らしてしまう「つちくらげ病」を引き起こす特性を持っているという点です。

ーーつちくらげ病とは

この菌に感染した木は下枝から枯れ上がり最後には木本体を枯死させていきます。中でもアカマツやカラマツ、モミやスギなどの針葉樹での被害が多くみられ集団的に一度に多くの木々が枯れてしまうことが問題視されているのです。

被害は年に3~5メートルずつ広がりを見せ同心円状に広範囲に拡大しエリア内の木々を枯らしながら最終的には数年で病気が終息し自然に収まります。

ーー直火で発生する

最近では禁止エリアでの焚き火跡から生えてきたつちくらげの画像がSNSで拡散され話題になっていました。焚火が原因で森を壊滅させるキノコが生えてくるというセンセーショナルなタイトルが受けたのは否めませんが、それだけ知られていないということなのだと思います。

最後に、一度この病気が広がると除去することが難しいため、禁止エリアはもちろんですがアカマツの近くや林内、その周囲では絶対に焚き火をしないようにすることが大事です。

自然の中で焚火をする場合はルールとマナーを守って楽しみましょう。