ドクゼリ

ドクゼリ

基本データ

一般名称: ドクゼリ
別名: オオゼリ
和名: 毒芹(どくぜり)
英名: water hemlock ,cowbane 
学名: Cicuta virosa L.
分類: セリ科・ドクゼリ属
タイプ: 多年草
サイズ: 高さ60㎝~1m
花期: 6~8月
原産: 日本、その他
分布地: 北海道、本州、九州
生息環境: 小川、沼沢などの湿地帯
入手方法: 園芸店などで購入可能、自生しているモノを採取する。
購入価格: 1000円~
花言葉: 「死も惜しまず」「あなたは私の命取り」
誕生花: 6/13

毒性有毒成分表

危険度: ⭐⭐⭐⭐⭐
成分: シクトキシン
毒部: 全体、特に根に多く含まれている。
症状: 強烈な吐き気や嘔吐、下痢、眩暈など、重篤な場合全身が数時間に渡り痙攣し呼吸困難などで死に至る場合もある。
致死量: 50㎎/㎏
食用: 不可
誤食植物: 若葉が『セリ』、根茎が『ワサビ』に似ており過去に誤食による集団食中毒が起きている。

ギャラリー

セリ
セリの葉
ワサビの葉
ワサビの葉

ワサビやセリと似ている毒草

誤食事故が頻発している

ドクゼリはセリ科の多年草で、日本では水辺に普通に自生しているありふれた植物です。しかしその体内には日本三大有毒植物と揶揄されるほどの強力な毒を含んでいます。
■ドクゼリはその見た目から食用の「セリ」や根が「ワサビ」に酷似しており時折誤食による食中毒事故が起きています。
1990年代には、山菜取りに出かけた男性が200本もの野生のワサビを採取し土産として配布したのですが、そのすべてがドクゼリであり30数名が中毒症状になったという事故が起きました。
またガマと間違えて採取したドクゼリの地下茎の煮物を食べた女性2名が中毒症状となりうち一人は痙攣と意識不明の重体となる事故も起きています。

強烈な痙攣を引き起こす毒性

ドクゼリの主な毒はシクトキシンと呼ばれる成分です。この物質が体内に入ると強烈な吐き気や、嘔吐、腹痛、眩暈などが現れ、重篤な場合呼吸停止や瞳孔拡大、意識不明、全身痙攣などによって死に至る場合があります。

参考文献

  • 奥井 真司.『毒草大百科 愛蔵版』.株式会社データハウス、2003
  • 船山 信次.『史上最強カラー図解 毒の化学 毒と人間のかかわり』.株式会社ナツメ社、2013
  • 森 昭彦.『身近にある毒植物たち 知らなかったでは済まされない雑草、野菜、草花の恐るべき仕組み』.SBクリエイティブ株式会社、2016
  • 齋藤 勝裕.『毒の化学 身近にある毒から人間が作り出した化学物質まで』.SBクリエイティブ株式会社、2016
  • 松本 美枝子.『植物による食中毒と皮膚のかぶれ』.株式会社少年写真新聞社、2012