出典:イラストメメ
「夏場の車内にペットボトルを置いておいたら座席が焦げた」
「冷凍庫でペットボトル入りの飲料を凍らせたら容器が破裂した」
このようなニュースを一度は聞いたことはありませんか?ペットボトルが原因で怪我をする事故はたびたび起きています。
今では生活になくてはならないペットボトルですが取り扱いを間違えると思わぬ事故につながる危険性を秘めています。
ペットボトルの使い方といっても学校で教えてくれるわけでもなく、噂程度でしか耳にしない事も多いと思います。
今回は知っているようで知らないペットボトルのやってはいけない使い方を記事にしていきます。
ペットボトルを凍らせると容器が破裂する?
液体は凍らせると体積が増える
ペットボトルに入った飲み物は冷凍庫などで凍らせると中の水分が膨張し容器内の圧力が増えボトルの変形や破損、さらには破裂の危険性があります。
また炭酸飲料の場合はさらに危険で、液体に溶けている二酸化炭素が水分と分離することで通常の飲み物を凍らせる以上に強い圧力がかかってしまいます。
この状態で外部からの刺激や振動を受けると限界を超えたガスが噴き出し容器が破裂してしまうことがあるのです。
海外では凍らせたコーラを飲もうとして突然容器が破裂し頬に大怪我を負うという痛ましい事故も起きています。
「冷凍専用のボトル」を使う
ペットボトルに飲み物を入れて凍らせる場合は「冷凍専用のペットボトル」を使う事をオススメします。通常のペットボトルよりも厚く作られているため強度が高く、飲み物が凍り容器内の圧力が増えても耐えられるように作られています。
炭酸飲料はNG
冷凍専用のペットボトルであっても炭酸飲料を凍らせることはNGとされています。というのも炭酸飲料は凍らせることで大きく膨張することがあるため容器が耐え切れず破裂する危険があるからなのです。
再冷凍は避けるべき
冷凍専用のペットボトルは基本的に一度きりで、再度冷凍すると容器が耐え切れず破損してしまう事もあるそうです。何度も使う事は出来ないのですね。
ペットボトルを直接お湯で温めるのは危険?
変形や破損の原因となる
ペットボトルを直接お湯や電子レンジで温めるとボトル容器が高温によって変形したり、中の水分が気化し容器内部の圧力が増えることで破裂し中身がかかり火傷などをする危険性があります。
ペットボトル飲料を温める時は必ず別容器に移し替えてから温めるようにしましょう。また電子レンジで温める場合は液体の突沸現象に注意が必要です。
※突沸現象については「電子レンジの危険な使い方【危ないので絶対に真似しないようにしましょう】」の記事の中で詳しく書いています。
ホット専用用ペットボトルでも湯煎はできない
ホット用のペットボトルといっても極端な高温に耐えられるものではありません。あくまでも専用の「加温機器(ホットウォーマー)」で45度前後に温めるための耐性がある程度です。沸騰している100度前後のお湯の中に入れてしまうと容器が変形したり溶けてしまう事もあり得ます。
また電子レンジで使えるタイプと使えないタイプに分かれているため、商品毎に電子レンジ対応かどうかは商品記載の注意事項を確認しましょう。
飲みかけのペットボトルを放置すると破裂する?
細菌の増殖に要注意
ペットボトルに口を付けて飲むと、元々口内に存在する細菌がペットボトルの中に入り込んでしまいます。
そのまま飲みかけのペットボトルを何日も放置しているとペットボトルの中でどんどん雑菌が繁殖しだし、夏場のように気温が高い環境下では1日放置するだけでもボトル内の菌は数百倍にも増殖するのです。
飲みかけのペットボトルを一か月放置したものが突然破裂し怪我をしたという事例もあります。
多少雑菌が繁殖したとしてもそれを飲んですぐに健康被害につながると言えばそこまで心配することはありませんがやはり気持ちのいいものではないと思います。できる限りすぐに飲み切るようにしましょう。
細菌を増やさないための対策として
ペットボトルに直接口を付けて飲まないようにすることが最も望ましいと考えられます。また口を付けていなくても空気中ににも細菌は存在しており一度でも開栓してしまうとそれらが入ってくるため口を付けなければ絶対大丈夫というわけでもありません。
- コップなどの別容器に必要な分だけ移し替えて飲む
- 余った分はすぐに冷蔵庫に保管する
- 消費期限に関わらずに早めに飲み切るようにする
ドライアイスを入れると容器が破裂する?
ドライアイスは二酸化炭素の塊
瓶やペットボトルといった密閉性の高い容器にドライアイスを入れると気化したドライアイスの圧力によって容器が破裂する危険性があります。
特に気温が高い夏場に子供によるドライアイスの事故が多く起きており、東京消防庁の発表では約79%がペットボトル等の破裂による事故となっています。
イタズラに要注意
ドライアイスの事故は子供のイタズラによってしばしば起きています。取り扱う際は子供の手の届かない場所に保管するようにしましょう。
※ドライアイスに関する記事は【【知らないと危険】ドライアイスの使い方に注意しよう こんな事故が起きている、中毒・酸欠・破裂・凍傷etc…】で詳しく書いています。
水の入ったペットボトルを直射日光の当たる場所においてはいけない
収れん現象が起きる
水の入ったペットボトルに直射日光を当てると凸レンズの効果によって稀に収れん現象が起きることがあります。特に夏場の日差しが強い時期に窓際や車内に水の入ったペットボトルを放置しておくと思わぬ事故につながることがあります。
“収れん火災”は非常に稀な現象ではあるが…
ただし収れん現象が原因で火災となった事例は全国でも数件程度とのこと。そうそう滅多に起きる事ではありませんが、ペットボトルを猫除けとして外に設置する時などは周囲に可燃物が無いかなどをよく確認しておく必要はあります。
飲料水以外を入れると誤飲の危険がある
飲み物以外は入れないようにしよう
ペットボトルは密閉性が高い為液体の保管にちょうど良い容器です。空になったペットボトルに洗剤等を入れて使っている方もいるのではないでしょうか?
しかしそういった薬剤や灯油等の、飲み物以外を入れて冷蔵庫などで保管していて、子供や高齢者が知らずに飲んでしまい中毒となってしまう事故が実際に起きています。
こういった誤飲を避けるためにペットボトルには飲み物以外を入れることは避けるべきです。
ペットボトルには薬剤の耐性がない可能性
飲料用のペットボトルの容器は洗剤や灯油などが入れられているポリエチレン製の容器と比べると薬剤に対する耐性が低く長時間使用していると変形したり、溶けて穴が開いてしまう場合もあります。
思わぬ事故につながる場合もあるため、飲料用のPET容器を薬剤の保管用として使用するのは辞めましょう。
ペットボトル雑学
プラスチックの仲間
PETボトルは広く言えばプラスチックと呼ばれていおり似たような材質のモノが沢山存在します。代表的なものがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、そしてポリエチレンテレフタート等があります。
PETとは何の略?
ペットボトルは原油から作られているポリエチレンテレフタート(Poly Ethylene Terephthalate:略してPET)という樹脂の一つ。ペットボトルだけでなく食品包装フィルムなどにも広く使われている。似た名前にポリエチレンがあるが別物。
飲み口の色が2種類ある?
ペットボトルの先端、飲み口には透明のモノと白くなっているタイプが存在しています。これは耐熱性のあるなしの違いです。
飲み口が白いものは飲料水をボトルに詰める際に殺菌等の理由で高温の状態でペットボトルに詰めます。その際に熱によってボトルが変形しないように熱耐性を持たせる処理をしているため白くなっています。
対して飲み口が透明のものは商品である飲料水をボトルに詰める際に常温で補充するため飲み口に熱耐性を持たせる必要がないため透明のままなのです。