イヌサフラン

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基本データ

一般名称: イヌサフラン
別名: コルチカム
和名: 犬サフラン
英名: autumn crocus
学名: Colchicum autumnale L.
分類: イヌサフラン科・イヌサフラン属
タイプ: 単子葉類・多年草
サイズ: 高さ50㎝
花期: 9~10月
原産: ヨーロッパ中南部,北アフリカ
分布地: 花壇などで育てられている
生息環境:
入手方法: 園芸店で購入可能
購入価格: 1000円~
花言葉: 「永続」「永遠」「頑固」「楽しい思い出」「悔いなき青春」「華やかな美しさ」「危険な美しさ」「華美」「美徳」「回顧」「努力」「幸福」「私の最良の日は過ぎた」
誕生花: 9月8日・9月21日・9月27日・10月8日・10月9日・10月19日・11月5日・12月21日

毒成分

危険度: ⭐⭐⭐⭐
成分: コルヒチン
毒部: 全体
症状: 下痢、嘔吐、腹痛、血便、知覚麻痺、呼吸困難の他、重症化すると肝障害や循環器系不全などで死に至る。
致死量: 0.5㎎/㎏ 体重50㎏の人の場合約25㎎で死亡する。
食用: 不可
誤食植物: 球根がタマネギに似ている他、ミョウガやジャガイモ、ニンニクと間違えて誤食した例がある。

誤食されることが多い植物

イヌサフランはその球根部分をニンニクやタマネギ、ジャガイモなどの食材と誤認されて食べられることが多い(or似ているから食べられると誤解される)植物です。また葉の部分はギョウジャニンニクやギボウシと酷似しているためこれもまた誤食が起きています。
誤食を避けるためには家庭菜園と観賞用の花壇をしっかり分けて育て、球根などは子供や高齢者の手の届かない場所に置くなど取り扱いに注意しないといけません。
厚生労働省のホームページの発生事例では、男性が家庭菜園で育てたイヌサフランの球根を茹でて食べたところ下痢や嘔吐の他、多臓器不全によって死亡したと記載されています。
また別の事例では老人ホームに入居している男性が花壇を掘り起こしてイヌサフランを食べて数日後に死亡するという事故も起きています。
イヌサフランは毎年のように誤食による中毒事故が起きているので十分に注意しなければいけません。

コレラに似た症状を起こす毒性

イヌサフランには全体にコルヒチンと呼ばれる有毒成分が含まれています。この成分は人体に対して非常に強力な毒性を発揮します。主な中毒症状は下痢、嘔吐、腹痛、皮膚の知覚減退、呼吸困難、重篤化すると血便や肝障害や循環器不全、呼吸不全などで死亡することもあります。
人に対する致死量は体重50㎏の場合約4~5㎎程度とされており球根1~2球で死んでしまう可能性が考えられます。

鎮痛効果がある

イヌサフランは古くからその毒性が知られていた植物です。古くは6~7世紀ごろから痛風やリウマチの治療薬として使われていました。ただし副作用も多く免疫機能の低下や下痢、嘔吐などの症状を示すとのことです。
現在でも痛風薬として用いられることがあるがコルヒチンは猛毒であるため素人が使おうと思っては絶対にいけない。

土が無くても成長する不思議な花

イヌサフランは不思議な能力を持っています。土や水を与えずに机の上に置いておくだけで勝手に成長し、そのまま花を咲かせるという特性を持っています。ただし土に植えておかないと球根が分裂しないため次の年以降楽しめなくなってしまう点には注意。
また英名のnaked ladyには「裸の貴婦人」という意味でありこれは花が咲く時期に葉が一切ないことからそう呼ばれています。

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毒を持つ身近な植物

参考文献

  • 齋藤 勝裕.『毒の化学 身近にある毒から人間が作り出した化学物質まで』.SBクリエイティブ株式会社、2016
  • 松本 美枝子.『植物による食中毒と皮膚のかぶれ 増補改訂2版』.株式会社少年写真新聞社,2012
  • 奥井 真司.『毒草大百科 愛蔵版』.株式会社データハウス、2003