シキミ

基本データ

シキミの画像

■名称:シキミ
■和名:樒(シキミ)
■英名:Japanese star anise
■分類:マツブサ科(シキミ科)・シキミ属
■学名:lllicium anisatum L.
■タイプ:常緑小高木
■サイズ:樹高3m~5m程度
■花期:3月~5月
■原産:日本、台湾、中国
■分布:本州関東地方以西、四国、九州、沖縄など
■生息地:境内や墓地など。
■毒部:全体に毒が含まれている、特に種子に多い
■成分:シキミン、アニサチン、イリシン
■症状:アニサチン/吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、痙攣、ふらつき等の神経症状。重症化すると呼吸麻痺、意識障害などにより死に至る。
■毒性:非常に危険、多量に摂取すると死亡する可能性がある。
■致死量:犬で12g程度といわれている。ヒトでは不明。
■食用:不可、絶対に食べてはいけない。
■誤食:八角(スターアニス)
■入手方法:園芸店やスーパーなどで1年中購入可能
■価格:1000円~
■花言葉:「援助」「甘い誘惑」「猛毒」
■誕生花:‐

危険なスパイス

食用と間違われることが多い

シキミは日本に自生するマツブサ科の植物です。姿かたちが良く似ている食用の八角(スターアニス)と混同され、誤食による中毒事故が時々起こっています。
過去に日本からドイツへシキミの実が食用のダイウイキョウに混ぜられて輸出され、それを食べた多くのドイツ人が中毒を発症したという事故が起きたそうです。
また1990年には兵庫県の自然教育グループのメンバー10数人が食用のシィの実と間違えてシキミを2000個も集めそれをパンケーキに練り込んで食べたことで中毒症状を発症し、うち9人が重症化したという事故もあります。

シキミの毒性

シキミに含まれるアニサチンと呼ばれる有毒成分は植物全体に含まれていますが、特に種子に多く存在しています。この毒は神経毒の一種で少量でも中毒症状になる場合があり、主に嘔吐や下痢、腹痛、下痢などで多量に摂取し重篤な症状になると全身の痙攣、呼吸不全、意識障害などが起き最悪死亡することもある危険な毒です。
近年牛が食べたことによる中毒事故も発生しているとのこと。ペットなどが間違えて食べないように取り扱いに注意する必要がありそうですね。

なぜ仏壇や境内に植えられていることが多いのか?

シキミは墓地や境内、仏壇に飾ることが多い植物で、一度は見たことがある方が大半だと思います。危険な毒性を持っているにもかかわらず人の生活に近い場所に使われているのには理由があります。
昔は土葬が一般的だった時代、野生動物が埋葬された死体を掘り起こさないように、強力な毒性と独特の臭いを持つシキミが防壁としての役割で植えられていたのです。
今でも線香の材料として使われているように仏事には切っても切れない深い関係のある植物なんです。

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