放置されたごみのイメージ

ここ数年バーベキューの迷惑行為をよく耳にするようになりました。アウトドアブームとソーシャルディスタンスの定着によって野外で食事を楽しむ人が増えた結果マナー違反者も増やしてしまったのです。今回はバーベキューによって実際に起きているマナー違反を紹介します。

ーーごみの放置

空き缶やペットボトル、生ごみなどバーベキューで使用した道具をそのまま現地に放置して帰る人が一定数います。悪臭や景観を損ね近隣住民に迷惑をかけるだけでなく最悪自身が不法投棄に当たる場合もあるため必ず持ち帰るようにしましょう。

ーー炭の放置

ごみと同様に現場に炭をそのまま置いて帰るケースが多々起きています。誤解されがちですが炭は炭素の塊でありプラスチック同様に自然分解されないためそのままの形でずっと残ってしまうのです。

使用した炭は専用の炭捨て場かもし見つからない場合は、完全に火を消した状態でアルミホイルなどに包み持ち帰り燃えるゴミで出しましょう。

ーー川で食器を洗う

若者たちがバーベキューに使用したであろう鉄板や食器を洗剤を使って川で洗っている写真がネットに出回りプチ炎上したことがあります。

時折洗剤は使わず砂を使って汚れだけ洗い落とすのは良いという意見も聞かれますが、廃油などによって起きる環境や生態系への悪影響を招く非常に軽率な行為であるためどちらも絶対にやってはいけません。

ーー川の中に入る

バーベキュー中に川に入りそのまま流されて死亡する水難事故が毎年起きています。川は流れがあり水泳の競技選手であっても水圧に逆らって泳ぐのは難しいといいます。

また突然深くなる場所や、岩の近くなどは渦が巻いているスポットなど危険が非常に多く存在しており、海と違い浮力が弱いせいで一瞬で沈んでしまうのです。

暑くなり涼みたくなる気持ちはわかりますが入っても膝下までとして、もし泳ぐのであれば必ずライフジャケットを着用するようにしましょう。

ーー密漁行為

2018年に漁業法が大きく改正され大幅に罰則が強化されました。組織ぐるみの悪意のある密漁行為はもちろん、個人消費による小規模な採取も密漁とみなされるようになりました。

軽い気持ちでアワビやウニなどを採ったことで密漁者として検挙されたケースも多々あります。密漁は知らなかったでは済まされない行為であるため海辺で勝手に規制されている生物を採らないようにしましましょう。

ーー直火

直火とは地面に直接焚き火を作ることです。キャンプ場などでは芝を火から守る目的とマナーの問題で禁止になっている地域が多くあります。バーベキューも同様に直火が禁止されているエリアもあるため必ず確認するようにしましょう。

また直火は「つちくらげ病」と呼ばれる木の病気を引き起こすことがわかっています。これは山火事や焚火などで地面が温められると土壌中に眠っていた土クラゲの胞子が発芽し土の中に広がり周囲に生えている木の根を枯らすというものです。

ーーゴミを燃やす

バーベキューの火を使ってゴミを燃やす行為をする人が一定数います。バーベキューやキャンプファイヤーなど一部の例外を除き野外でのゴミの焼却行為は”煙や臭気によって近隣住民に迷惑をかける恐れがあるため”一部の例外を除いて法律や条例で禁止されています。

ちなみにバーベキューであっても苦情が来るような状態であれば中止させられることがあります。

ーーバーベキュー禁止の場所でやる

バーベキューは野外であればどこでもできるのかというとそうではありません。海岸や河川敷など定番のエリアでもバーベキューが禁止されているところは意外と多いものです。過去に200人規模のバーベキュー大会で音楽を大音量で流して近隣住民から苦情が殺到し警察が出動したというトラブルも起きています。

場合によっては罰金が課せられる場合もあるため、行おうとしている場所が禁止されていないか事前に役所などのHPで確認するようにしましょう。

ーー深夜まで騒ぐ

大音量での音響機器の使用や大声で騒ぐといった迷惑行為が近年問題となっています。気分が高揚し普段より開放的になるのはわかりますが、深夜まで騒音を出し続けると近隣住民や他の利用者に迷惑をかけることになるため周囲へ配慮した行動を心掛けるようにしましょう。

ーー川の中洲に立ち入る

1999年に中洲でキャンプをしていた18人のグループが大雨による増水によって流され最終的に13名が亡くなった痛ましい事故が起きています。

中洲は雨やダムからの放水によって一変し場合によっては流れに飲み込まれ消失する危険な場所です。河原や河川敷でバーベキューをする場合は必ず指定された場所を選ぶようにしましょう。

ーー生木を切って薪にする

生木というのは地面に落ちている枯枝ではなく、生きている木や枝のことです。稀にですが周囲に生えている木を切って薪代わりに使う人がいるのです。

生木は水分を含んでいるため薪代わりにはむかないという事もありますが、そもそも所有地でもない場所で勝手に伐採をすると法律違反になるため絶対にやめましょう。

ーー食べカスを炊事場に流す

炊事場が併設されている場所ではバーベキュー後の調理用具を洗うのに大変便利ですが、中には食べカスまで排水口に流してしまう人たちがいます。

配水管が詰まって炊事場使えなくなり他の利用者に迷惑をかけてしまうため、洗浄中に出た汚れは水切りができるゴミ袋などに集めるようにして、そのまま流さないようにしましょう。

ーー食中毒

夏場は気温が高く食中毒の原因となる細菌が増殖しやすい季節です。バーベキュー中は衛生面がおろそかになりがちで普段料理をしない方の場合特に事故が起きやすくなります。

食材は基本的に直前まで冷やして保管し、調理に使うトングや端、包丁は用途によって必ず使い分けるようにしましょう。衛生管理に気を付けて楽しいバーベキューにしましょう。

ーー着火剤の継ぎ足し

着火剤とは木炭や薪などの燃焼を補助する燃料のことでチューブから絞り出すゼリー状のものや固形タイプなどがあります。誰でも簡単に火起こしができるためバーベキューでは一般的に使われています。

しかし着火剤は揮発性・燃焼性の高いものが多く継ぎ足し中に炎が大きくなり着ているものに燃え移るという事故も起きています。基本的に一度火をつけたら着火剤の継ぎ足しは絶対にしないようにしましょう。

ーーカセットコンロの継ぎ足し

カセットコンロを2台並べて、その上に大きな一枚の鉄板を置いて使用するとバーナーの火で加熱された放射熱によってカセットコンロに装着しているガスボンベが異常加熱され、破裂、爆破するという事故が起きています。

バーベキューで使用する前に必ず説明書をよく読み決められた使い方をしましょう。

ーー野外で用を足す

場所によっては近くにトイレが併設されていないこともあり、トイレ以外の場所で用を足す行為がちらほら見られます。しかし衛生面や他の利用者にとっても非常に迷惑な行為ですので絶対にやめましょう。

トイレがない場所でバーベキューをする場合は簡易型のトイレを持っていくようにするといざというときに安心です。

ーー盗電

オートキャンプ場やRVパークなど一部施設では電源利用が可能な場所がありますが、利用が許可されていない施設の電気を勝手に使うことは立派な犯罪行為に当たります。

自然の中では充電ができる設備がないことの方が多いため必要であるならばモバイルバッテリーやポータブル電源、発電機など用途に応じた出力の電源をあらかじめ用意しておくべきです。

ーー不法駐車

休日などは混雑して駐車場に止められなかった車両が私有地や一般道路に不法駐車している事が見られます。一般・緊急通行の妨げになるだけでなく近隣住民の方に対しても迷惑をかけることになるため絶対にやめましょう。

また不法駐車は土地所有者とのトラブルに発展するケースも少なくないため必ず正規の駐車場を利用するようにするべきです。