ジギタリス
基本データ
■名称:ジギタリス
■和名:狐の手袋(きつねのてぶくろ)
■英名:fox glove(フォックスグローブ)、Fairy caps
■分類:ゴマノハグサ科・ジギタリス属
■学名:Digitalis purpurea L.
■タイプ:多年草
■サイズ:1m~程度
■花期:5月~7月頃
■原産:ヨーロッパ西部・南部
■分布:一部は野生化している。
■生息地:花壇などで栽培されている。
■毒部:全草に含まれていて、特に葉に多い。
■成分:ジギトキシン、ギトキシン
■症状:悪心、頭痛、嘔吐、下痢、視覚障害、不整脈、中枢神経の麻痺、重篤な場合は死に至る。
■致死量:5㎎以上
■毒性:非常に危険、死亡することもある。
■食用:不可
■誤食:コンフリーに似ている。
■入手方法:園芸販売店などで購入可能。
■価格:300円~
■花言葉:「不誠実」「熱愛」
■誕生花:3月27日、5月23日、6月13日
ギャラリー
ジギタリス |
ジギタリスの花 |
薬にも毒にも使われる
ジギタリスと呼ばれる植物をご存知でしょうか?観賞用として花壇に植えられていることが多く、高さ約1m~1.5mほどに育ち目立つため一度は目にしたことがあると思います。
別名キツネノテブクロと呼ばれるこの植物は、もともとはヨーロッパ原産で、初夏から夏にかけて白や赤・ピンク色の鐘状の美しい花を咲かせるため日本でも多く栽培されています。薬としても毒としても両方で有名な植物です。
心臓を止める毒をもつ
誤食による事故が起きている
全草にジギトキシンやギトキシンと呼ばれる毒を保有しており、摂取すると悪心、頭痛、嘔吐、下痢、視覚障害、不整脈、中枢神経の麻痺、重篤な場合は死に至ることもあります。
ジギタリスの葉はコンフリーに似ていますが強い苦みがあります。過去、ジギタリスの葉をコンフリーと間違え、数枚をミキサーにかけ青汁として飲んだことで中毒死した事例があります。
またコンフリーも以前は食用とされ、健康食品などで流行していた時期もありますが、過剰に摂取することで肝障害を引き起こすピロリジジンアルカロイドを含むことが分かり、現在は厚生労働省が摂取しないように注意喚起が出ています。
昔から薬として使われていた
古くからジギタリスは慢性心不全などの心臓病の治療薬として使われた経緯があります。しかし薬としての効果を表す量の倍程度の量を飲むと今度は悪心や嘔吐、下痢などの副作用を引き起こし、多量に摂取することで心臓停止によって死に至ることもある非常に使い勝手の難しい植物とされてきました。
また製薬の原料として用いられるものは同族植物のケジギリタスでありジギリタスとは別種。
致死量はどのくらい?
参考文献によって様々ですが一般的にジキトキシンの致死量は体重1㎏に対して5㎎程度が死の基準とされています。ただしそれよりも少ない場合でも中毒や重篤な症状、はては死亡するなんてことも十分考えられます。絶対に口にしないようにしましょう。