キョウチクトウ

夾竹桃の画像

一般名称 キョウチクトウ
別名
和名 夾竹桃(きょうちくとう)
英名 Oleander(オレアンダー)
学名 Nerium oleander var.indicum
分類 リンドウ目・キョウチクトウ科・キョウチクトウ属
タイプ 常緑小低木(大低木)
大きさ 2~4m
花期 7~8月
原産国 地中海沿岸、中国、インド
分布地 都心部や幹線道路公園などに植えられている他野生の種が全国に広く分布している。
生育環境 公害に強くあまり条件を選ばない。
入手方法 造園関係の取扱店舗で購入することができる。
購入価格 苗:2000円~
花言葉 「注意」「危険」「用心」「危険な愛」「たくましい精神」
誕生花 8/9、8/12
危険度 ★★★★★ [最悪死亡]
有毒成分 オレアンドリン[oleandrigenin]、アディネリン、ギトキシゲン、ジギトキシゲン
有毒部位 全草に毒が含まれていて、特に葉、乳液、種子に危険な成分が多い。
葉や枝を燃やした煙にも毒成分が含まれている。
中毒症状 口から摂取することで中毒となる。
吐気、嘔吐、眩暈、下痢、食欲不振のほか痙攣や意識混濁など重度の場合死に至ることもある。
致死量 0.3㎎/㎏(人間)
50㎎/㎏(牛、経口摂取)
食用部位 全て食べることはできない。
誤食部位
キョウチクトウの花
キョウチクトウの花
夾竹桃の花白
キョウチクトウの花 白

公害に強い花

夾竹桃(きょうちくとう)には強い毒が含まれていることをご存知でしょうか?
交通量の多い幹線道路や都市部の公園などに植栽されていることが多く、名前は知らなくても一度は見たことがあるという方も多いと思います。今回は身近な植物であるキョウチクトウの毒についてのお話です。

園芸植物として広く使われている

キョウチクトウは東北地方南部以南の日本全国に広く分布している植物で、江戸時代に日本へ入ってきたとされています。
花は桃の花に似ており、葉は厚く長い楕円形の形をして竹の葉の形状に似ています。
車の排ガスや大気汚染などの公害に対して強い特性を持つため、都市部や工業地帯など人の多い場所で目にする機会があります。
広島では原爆投下によって75年間草木も生えないと言われていた焦土にいち早くこのキョウチクトウの花が咲いたのは有名な話、昭和48年に10月29日に市の花に指定されています。

全体に毒が含まれている

キョウチクトウには葉・根・茎・花・果実・種子など植物全体が有毒であり、周囲の土壌や生木を焼いた煙にも毒の成分が含まれていて危険です。また腐葉土にした場合も毒性が抜けるまでに1年はかかるとされています。
ヒトや動物がこの植物を口から摂取すると健康被害を起こす危険があり、枝の切り口から出てくる白色の乳液にも同様に有毒物質が含まれているため取り扱い時に目や肌に直接触れないように注意が必要です。

どのような毒性なのか?

キョウチクトウに含まれる有毒成分は強心配糖体のオレアンドリンと呼ばれるもので、心筋機能を著しく阻害する作用があります。主な症状は吐き気、嘔吐、眩暈、下痢、食欲不振、のほか痙攣や意識混濁などです。キョウチクトウの一部を口に入れてこのような症状が出た場合中毒症状と考えられます。
海外では夾竹桃の枝を串代わりに利用して食材を焼いて中毒症状を起こした例や、家畜の餌に夾竹桃の葉が混入しそれを食べた動物が中毒を起こすなどの事故が起きています。動物の場合いずれも特徴的な症状とはいえず急死してから原因に気が付くことがほとんどであると言われています。

致死量はどのくらい?

キョウチクトウは死亡例もあるほど危険な毒の成分ですが、致死量はどの程度なのでしょうか?夾竹桃に含まれる有毒物質の量は成熟具合や時期などによって異なりますが、開花時期が最も多いと考えられています。乾燥葉として50㎎/㎏(牛、経口)とされています。
ヒトでも葉が5~10枚程度とも言われていますが、それよりも少ない数量で中毒症状となった事例もあります。

世界での事例

キョウチクトウは元々は海外から入ってきた植物であるため当然日本以外でも見かけることはあります。世界に目を向けるとハンセン病、マラリア、消化不良や性病などの様々な病気に民間療法でキョウチクトウが使われているといいます。

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