トリカブト
基本データ
■名称:トリカブト
■和名:鳥兜(とりかぶと)、カブトギク、カブトバナ
■英名:Monkshood,Helmet flower(ヘルメットフラワー)
■分類:キンポウゲ科トリカブト属
■学名:Aconitum
■タイプ:双子葉類・多年草
■サイズ:長さ60㎝~150㎝程度
■花期:7月~10月
■原産:日本を含む世界の広い地域で自生している。
■分布:北海道を含む日本全国。
■生息地:落葉樹林内、温帯の林縁、スギ植林内など。
■毒部:全草、花や蜜、種子の他特に塊根に多く含まれている。
■成分:アコニチン、メサコニチン、ジュサコニチン等
■症状:唇や四肢の痺れ、悪心、吐き気、嘔吐、下痢、眩暈等の初期症状から運動神経の麻痺、呼吸麻痺などにより数時間で死亡する。
■毒性:非常に強力
■致死量:2~4㎎ トリカブトの根1g程度食べるだけで死に至る危険がある。
■食用:不可、絶対に食べてはいけない。
■誤食:ニリンソウの若葉、ゲンショウノコの若葉、モミジガサの若葉
■入手方法:園芸店で購入できる他、山間部など野生の種を採取するのもよい。
■価格:苗 500円~
■花言葉:「騎士道」「栄光」「人嫌い」「厭世家」「復讐」
■誕生花:7/19、7/25、 7/27、 9/8、 9/26
ギャラリー
間違えやすい植物
トリカブトの若葉 |
ニリンソウの若葉 |
ゲンノショウコの若葉 |
モミジガサの若葉 |
世界一有名な毒草
重篤な症状になりやすい
テレビのドラマや映画などで毒殺に使われることが多く、一度は見聞きしたことがあろうトリカブトという言葉。詳しくは知らなくてもほとんどの人が毒を持っている植物だと認識していますね。
実際トリカブトの毒性は非常に強力で少量でも口にすると中毒症状を引き起こします。過去10年間、国内でのトリカブトの誤食による中毒事故で死亡した人数はイヌサフランに次いで2番目に多くその危険度が良く分かります。
事故の事例では、2009年に高齢者夫婦がニリンソウと間違えてトリカブトを採取しおひたしにして食べ全身もしくは下半身がしびれる誤食による中毒事故を起こしたという。
また2005年には20代~70代の男女がニリンソウと間違えてトリカブトを食べてしまい食中毒となりうち一人が死亡しています。
1993年には林業の従事者が蜂の巣のハチミツを食べて直後中毒症状を訴えたというもの、蜂がトリカブトの花から蜜を集めたのが原因とされています。
毒の危険性
トリカブトの毒は主にアコニチンと呼ばれる神経系の毒成分です。全草に含まれていますが最も多いのは塊根で根の部分です。次いで葉や茎に多く含まれ花や蜜、種子にも成分が含まれているため、どの部分も食べることはできません。
致死量は2~6㎎とされトリカブトの根を1グラム程度食べるだけで死亡する危険性があるのです。
中毒症状として唇の痺れ、四肢の麻痺、悪心、下痢、嘔吐、眩暈などの初期症状から重篤化すると全身痙攣や呼吸不全(呼吸中枢麻痺)、意識消失などで死亡するすることもあります。
誤食による中毒症状は食後数十分~程度で発症することが多いとされています。
一般的に自生している
トリカブトは日本だけでも約30種類ほどあり、世界中には有に100種類を超えて存在しているとされています。毒の成分は種類ごとに多少の差はあれどそのほとんどに有毒となる毒が含まれています。
ただトリカブト自体は野草として日本全国に自生しているため見つけるのは比較的容易な植物です。また園芸店でも1株数百円から取り扱っている店も多くあります。
このように世界一危険とも言われるトリカブトの毒ですが、その植物自体は非常に簡単に手に入れることが出来るのです。
色々な呼び名がある
トリカブトのことをアメリカでは「モンクスフード(修道士の頭巾)」と呼ばれていて、これは花の形が修道士のかぶるフードの形に似ていることから来ています。英名の「ヘルメットフラワー(兜花)」も同様に頭にかぶる兜に似ているところから来ていますね。
またドイツではトリカブトのことを「鉄の帽子」や「嵐を呼ぶ帽子」などと呼ばれており、ノルウェーでは「オーディンの兜」とされています。