経済産業省の発表した資料によると平成30年度の家電製品重大事故件数は813件となっています。事故件数は年々減ってきているとはいえ(10年前の約2/3ほど)、ヒトが死亡する事例がいくつも起きており決して無関心ではいられません。今回は身近にある電化製品の危険な使い方を紹介します。

事故原因

事故原因は「製品不良」や「経年劣化」等が多数を占めていますが、中には「使い方の誤り」であったり「使用中の不注意」といった使う側の問題が起因していることもしばしばあります。

平成30年の重大製品事故件数
出典:経済産業省HP

電化製品一覧

電子レンジ

事故内容原因
食品の破裂・爆発殻や膜のある食品をレンジで加熱すると圧力が高まり爆発することがある
(例:卵、ソーセージ、イカ…)
レンジ内部の発煙・発火食品カスや油汚れなどでレンジ内部が汚れていると熱によって焦げ始め煙が出たり燃え始める危険がある。
包装容器の溶融・発火冷凍食品・カップ麺などを直接レンジで温めると高温によって袋や容器が溶けたり燃えたりする事がある。
サツマイモやニンニクの発煙水分の少ない食品を長時間温め続けると発煙することがある。
飲み物の突沸現象飲み物を温めた際に沸点を超えた状態でも沸騰せずに、刺激や振動が加わると突然沸騰し液体が周囲に飛散することがある。
鮮度保冷剤の発火鮮度保冷剤の一部の製品は条件によっては発火・破裂の可能性がある。
金属製品の火花の発生や故障金属製品は電磁波を反射するためレンジの電子回路の故障の原因や火花の発生による引火の危険がある。
レトルトパウチの火花の発生レトルトパウチ包装はレンジ対応でない場合、金属製品動揺火花が発生する危険がある。
瓶容器の破裂瓶容器など密封性が高い容器は蓋を閉めたままだと容器内の圧力が高まり最悪破裂することもある。
中華まんの発煙・発火中華まんは東京消防庁によるとモノによっては700W・5~10分程度で燃焼する可能性が示唆されています。

電気ケトル

電気ケトル
事故内容原因
水以外の飲み物による吹きこぼれや故障水以外の飲み物を使うと吹きこぼれて火傷をしたり故障する原因となる。
(例:牛乳、お茶、スープ…)
調理利用による焦げ付き・異臭などの故障インスタントラーメンなど水以外を入れて使用することで、センサーが正しく動作せず焦げ付きなどの原因となる。
空炊きによる故障空炊きは、空炊き防止機能が付いていれば停止しますが、繰り返すと故障の原因となる。
レトルト食品などの湯煎による火傷や故障食品の湯煎として使用することで吹きこぼれることがあり火傷の原因や故障にもつながる。
電源コードの発熱・発火コードを束ねたり折り曲げた状態で使用すると配線の断線・発熱、皮膜の破損などコードの損傷の原因となり感電や発火の危険性がある。
転倒による火傷乳幼児や子供がケトルのコードに引っ掛かる・引っ張る等でケトルが転倒し熱湯を被り大やけどを負ったといった事故が起きている。
残り湯を捨てる際に火傷上蓋を付けたまま残り湯を捨てようとした際に不意に上蓋が外れ足や手にお湯がかかるといった事故が起きている。
蓋を開けたまま湯沸かしを行い火傷蓋を開けたままや半開きで沸騰すると吹きこぼれによって火傷の原因となる。

カセットコンロ

カセットコンロ
事故内容原因
コンロを2台並べて使用すると熱がこもり爆発の危険コンロを2台並べ上に一枚の大きな鉄板を乗せて調理するとコンロ内部に熱がこもり、カセットボンベが加熱され爆発する危険がある。
五徳を裏表反対に設置して使用するとボンベが加熱され膨張・変形の危険性五徳など付属品の誤使用など、使い方によっては正しく排熱されない等思わぬ事故が起きることがある。
コンロの上で炭を焼く網の上で炭を焼くなど本来の使い方でない場合ボンベの異常加熱などにより爆発などの危険がある。
推奨されていないボンベの使用推奨されていない他メーカーのボンベを使用すると不完全燃焼など思わぬ事故につながる危険がある。
クッキングヒーターの上でコンロを乗せて使用する電磁調理器具(クッキングヒーター)など熱源のあるプレートの上に乗せて使用すると、万が一スイッチが入った場合にコンロが加熱され爆発する危険がある。
換気をしないと一酸化炭素中毒の危険性カセットコンロは火を使用するため室内では定期的に窓を開けるなど換気をしないと酸素不足により不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒になる可能性がある。
使用期限を過ぎたボンベを使用する使用期限を過ぎた古いカセットコンロは経年劣化によりガス漏れなどの可能性があるため危険です。製造年月日を確認し使用期限を過ぎている物は使わないようにする。

IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーター
事故内容原因
天ぷら油の発火コンロと違い急激に温度が上がるため、油の量が少ない・設定ミス等の原因で発火することがある。
高温プレートに接触しての火傷プレート表面はガスコンロと違い「火」の状態が分からないためうっかり接触してしまい火傷をする危険がある。
調理器具が濡れたプレート上を滑り落ちて怪我トッププレートが濡れていると鍋やコップなど底の面が平らなモノは滑りやすく落下し怪我や破損の原因となる。
金属製品をプレートに乗せると危険カセットコンロ・レトルトパウチなど金属製品を乗せて加熱すると高温になり破裂・発火の危険性がある。
ICカードなど壊れる恐れがあるヒーターの磁力線により磁気に弱いカードは近づけると壊れる可能性がある。
鍋底に水分が残ったまま加熱し火傷プレートと鍋の間に水分が多く残っていると水が沸騰し飛び散ったり、鍋が移動するなど火傷や事故の原因となる。

換気扇

換気扇
事故内容原因
油汚れやほこりの蓄積による故障(換気不良)・引火換気扇フィルターやダクト内部に油汚れやホコリが蓄積することで換気不良にによるCO中毒や調理の火が引火することがある。
モーターやコンデンサーからの発熱・発火経年劣化により電気部品が異常発熱したりショートすると周囲の埃などに引火することもある。
電源プラグからの発熱・発火
(トラッキング現象)
長期間電源プラグを差し込んだままの状態でホコリが溜まると、発熱・発火することがある。
接続部分からの発熱・発火
(グロー現象)
コンセントのプラグに緩みがあることで電流の流れの入り切りが発生、高熱を帯び周囲の可燃物に引火することがある。
ガス漏れ時の電源の入り切りによる引火ガスが漏れて室内に充満している状態で換気扇の電源の「入りor切り」をすることでスイッチの火花に引火し爆発の危険がある。

ドライヤー

ドライヤー
事故内容原因
電源コードの断線による故障や発熱・発火電源コードが「ねじれた状態」や使用後に「本体に巻きつける」などの使い方をすると配線内部でストレスが生じ配線皮膜の破れや断線による発熱や発火の原因となる。
吸引口からの髪の毛の巻き込まれドライヤーの吸引口に髪の毛を近づけると巻き込まれる危険がある。
電源スイッチを入れたまま放置による引火ドライヤーの電源を入れたまま衣類など可燃物に置いておくと高熱により引火する危険がある。
※電源コンセントを挿しっぱなしだと不意に電源が入る危険がある。
送風口のホコリによる発火長期間使用していると送風口の網にホコリが溜まり高熱によって焦げだし焦げ臭い異臭や発火の原因となる。
送風口・吸引口を塞ぐことによる異常発熱・故障電源を入れた状態で送風口や吸引口を塞ぐと本体が異常に高温になり故障のや火災の因となる。

石油ストーブ

石油ストーブ
事故内容原因
不良灯油使用による故障・異常発火前シーズンの使い残しの「古い灯油」や異物が混入したものを使用すると故障したり異常な発火現象が起きることがある。
灯油漏れによる引火・火災給油タンクの「蓋」を正しく閉めていないとタンクから灯油が漏れストーブに引火することがある。
ガソリンの誤給油による引火・火災灯油の代わりにガソリンを入れると揮発性が高い為炎が燃え広がり火災の原因となる。
換気不足による一酸化炭素中毒換気を行わずに長時間ストーブを使用し続けると酸素が不足し不完全燃焼が起き一酸化炭素中毒になる危険がある。
洗濯物への引火・火災洗濯物をストーブの周囲で乾かすと、落下したときにストーブに衣類が接触し引火する危険がある。
外出中・就寝中の火災長時間目が届かない場合に点火したままでいると事故が起きたときに気が付けなくなる。
スプレー缶への引火可燃性のガスを使用しているスプレーを火元の近くで使用するとガスに引火することがある。
吹き返し現象による異常燃焼・発火火元周りの空気供給口を掃除せずにおくと埃が溜まり空気の流れが悪くなります。不完全燃焼が起き炎の吹き返し現象が起き危険。

こたつ

こたつ
事故内容原因
就寝具として使用し脱水症状・低温やけどこたつの中で寝ると長時間、身体の「同じ部位」にこたつの熱が当たり続け水ぶくれなどの低温火傷となる危険性がある。
洗濯物を中に入れることによる焦げや発火こたつの中に洗濯物を入れて乾かすと場合によっては衣類に引火し火災の原因となる。
スプレー缶・ライターなどの爆発こたつの中にライターやスプレー缶など可燃物を入れると熱によって爆発する危険がある。
座椅子を押し込むことによる接触部の焦げ・発火座椅子を押し込むことでこたつ布団が持ち上げられ熱源に接触し熱で焦げる危険がある。

エアコン

エアコン
事故内容原因
水漏れによる家財被害ドレンパンに埃が溜まることで結露の排水ができずにエアコン内部の受け皿から水が溢れてしまい水滴が落ちて水害が起きる
※エアコンの下に家財は置かない事
延長コード使用による発熱・発火延長コードや分配器を使用するとエアコンは消費電力が大きい為プラグの異常発熱や発火の危険がある。
電源プラグからの発熱・発火
(トラッキング現象)
電源プラグを長期間差し込んだままの状態だとホコリが蓄積し、発熱や発火など火災の原因となる。
落雷による故障落雷が原因でエアコン内の電気回路に過剰な電流が流れ故障の原因となる。
冷媒漏れによる故障冷媒ガスは、施工ミス・災害や経年劣化などによる配管の損傷で漏れることで冷暖房が効かなくなる事がある。
カビによる健康被害カビがエアコン内部に発生し送風口から風に乗って排出され、それを吸い込むことで気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの病気になることがある。

掃除機

事故内容原因
非純正バッテリ使用による故障メーカー品ではない非純正の廉価版充電池使用によっての発火などの事故。
掃除ロボットによる事故掃除ロボットが電気ストーブなどを動かしてしまい可燃物に接触し引火する事故

ドラム型洗濯機

事故内容原因
衣類の焦げや発火油やアロマオイルなど可燃性の液体がついた衣類は乾燥中に高温となり発火する危険がある。
子供の閉じ込められる事故子供が洗濯機の中に閉じ込められて窒息する事故が起きている。
防水性の衣類の脱水による洗濯機の転倒や故障防水性の衣類は脱水によって水が抜けないため洗濯機のバランスが崩れ倒れる恐れがある。
(例:レインコート、防水カバー、防水シーツ…)
電源プラグからの発熱や発火
(トラッキング現象)
電源プラグを長期間コンセントに差し込んだままの状態だとプラグ周囲にホコリが溜まり発熱・発火する危険がある。

扇風機

扇風機
事故内容原因
経年劣化による電気部品からの発火標準使用期限を超えて使用すると配線やモーター・コンデンサーの経年劣化によって、電気部品から発火が起きることがある。
扇風機ファンに触れて怪我子供が扇風機のカバーを外したり、中に指を入れるなどで回転しているファンに触れて怪我をする危険がある。
※ストーブガードなどで対策可能

配線・コンセント

たこ足配線とコンセント
事故内容原因
たこ足配線による発熱や発火たこ足配線によって多くの家電製品をつなぐと1つのコンセントで使用できる電流の容量を超えてしまい発熱や発火の危険がある。
※一般的には1コンセントで15㌂
ホコリによる発熱や発火
(トラッキング現象)
電源プラグとコンセントの隙間にホコリが溜まり湿気により放電することで発熱・発火する現象が起きる。
ケーブルに圧力をかけることによる断線配線を紐で束ねたり極端に折り曲げる、重いものの下敷きにするなどで圧力が加わることで断線し故障や発熱・ショートなどの原因となる。
異物を挿入することによる感電コンセント内に針金やヘアピンなどの異物を挿入することで電流が流れ感電する。

乾電池

乾電池
事故内容原因
裸の乾電池をまとめて保管し発火乾電池やボタン電池をむき出しのまままとめて保管すると電池同士のプラスとマイナスが接触しショートする危険性がある。
状態の異なる乾電池の使用による発熱や液漏れ新しい電池と古い電池、種類や銘柄が違うものなど異なる電池を使用すると容量の差などから発熱や発火・液漏れなどが起きる危険がある。
金属製品と混同してショートネックレスなど金属製品と一緒にするとプラスマイナスがつながり電流が流れショートする危険がある。
プラスとマイナスを逆にしてリモコンに入れる正しい入れ方と逆に乾電池を入れるとショートなどによって液漏れや、発熱などが起きる危険がある。
アルカリ液の液漏れによる怪我アルカリ電池の中にあるアルカリ液が目に入ると最悪失明の可能性もある。皮膚に触れても危険。
ガスの発生長期間使用せずに電気機器の中に入れていると電池からガスが発生し液漏れなどを起こし故障の原因となる。
充電し破損や液漏れ充電池以外の乾電池を充電すると液漏れや破損の危険がある。

消化器

消化器
事故内容原因
破裂した消化器による死傷事故古い消火器は本体が腐食していることがあり衝撃や圧力が加わると突然破裂する危険性がある。
※消火器は重量があり破裂の衝撃で飛んできた本体に当たると非常に危険。

LED電球

事故内容原因
調光機能に対応していないLEDを使用する調光機能が付いてる器具に使う場合、LEDも調光に対応していないと電球の回路に負荷がかかり異常発熱や故障などの原因となる。
断熱材施工器具に対応していないLEDを使用する天井埋め込み型器具は「断熱材施工器具対応」でないと熱により回路に負荷がかかり故障の原因となる。
センサータイプに対応していないLEDを使用するセンサーで自動反応するタイプの器具に使用する場合電球も対応していないと対応していないものもある。

スプレー缶

スプレー缶
事故内容原因
スプレーガスへの引火可燃性ガスのスプレーをコンロやストーブの「火」のついている近くで使用するとガスに引火し「火炎放射器状態」になる。
シュレッダー内での引火シュレッダーに可燃性のエアダスターを使用するとガスが本体内部に滞留し電源スイッチを入れると「電源火花」によって引火する危険がある。
夏場のスプレー缶の爆発夏場の直射日光や暖房器具の近くなど高温になる場所にスプレー缶を置くと中のガスが膨張し圧力により破裂する危険がある。
ガス抜き時の爆発事故閉めきった室内で大量にガス抜きを行うと、部屋の中にガスが充満し家電製品のスイッチ火花や給湯器の炎に引火、爆破する危険がある。
※室外の開けた場所でガス抜きをする
ガスを出し切ってから捨てる中身が残っていると熱や圧力によって予期せぬ爆発事故が起きることがあり危険。

シュレッダー

事故内容原因
ネクタイの巻き込まれ事故ネクタイがシュレッダーに巻き込まれるケースがあります。シュレッダー使用時はネクタイが垂れ下がらないようにピンなどで止めておきましょう。
上着の裾が巻き込まれる事故薄手の上着はシュレッダーの口に入る可能性があるため使用時は腕をまくるなどして、巻き込まれないように注意が必要です。

最後に

こうして書き出してみると本当に沢山ありますね。もちろん一つ一つの製品に対しての注意点は書き出しただけではありませんが危険度が高いものを主にピックアップしています。

子供は特にいたずらでやってしまいがちなことが目につきます。

どれも大事故につながる可能性があるのでこれを機に家の中で危なっかしそうなところをチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

<あとがき>

このサイトでは身近に起きている(もしくは可能性のある)危険な事象をリサーチし事前に知ることで、危険を回避できればいいなと思い記事を書いています。

今後も身近に存在する危険な情報を提供していきたいと思います。

この記事が生活の中で少しでも役に立てれば幸いです。