ヨウシュヤマゴボウ

基本データ

ヨウシュヤマゴボウの実

■名称:ヨウシュヤマゴボウ
■和名:洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)、アメリカヤマゴボウ
■英名:Pokeweed,Inkberry
■分類:ヤマゴボウ科・ヤマゴボウ属
■学名:Phytolacca americana L.
■タイプ:双子葉類・多年草
■サイズ:高さ1m~2m程度
■花期:夏~秋・7月~11月頃
■原産:北アメリカ
■分布:日本全国に分布している
■生息地:草原、荒れ地、川原、市街地などあらゆる場所で見かけることが出来る。
■毒部:全草、特に根と熟した実に多く含まれている。
■成分:フィトラッカトキシン、フィトラッカゲニン、硝酸カリ、キンナンコトキシンな等
■症状:腹痛、嘔吐、下痢、腹痛、重症化すると延髄に作用し痙攣を引き起こして死亡することもある。果実の成分が皮膚に触れると皮膚炎になることもある。
■毒性:強力
■致死量:不明
■食用:不可
■誤食:ゴボウの根、果実の誤食
■入手方法:野生化しているため都心部を始め様々な場所で採取することが出来る、園芸店やネット販売でも購入することが可能。
■価格:苗 1000円前後~
■花言葉:「野生」「元気」「内縁の妻」
■誕生花:9/16

ギャラリー

ヨウシュヤマゴボウの果実
ヨウシュヤマゴボウの果実
ヨウシュヤマゴボウの葉
ヨウシュヤマゴボウの葉
ヨウシュヤマゴボウの花
ヨウシュヤマゴボウの花
ヨウシュヤマゴボウの果実 拡大
ブルーベリーにも似ている果実

ヤマゴボウの仲間と勘違いも

名前と外見に要注意

ヨウシュヤマゴボウは元々北アメリカ原産の植物で明治の初めに渡来、この植物の根に含まれる“薬用作用の効果”もあり当時は盛んに栽培されていました。しかし現在ではその毒性の強さもあり利用されることは殆どなくなっています。
元々適応力が高く生命力、繁殖力に優れた植物のため、今日では日本各地の山間部や荒れ地、川原、市街地や公園などあらゆる場所に自生するようになっています。
そしてヨウシュヤマゴボウという名が付くことから通常食べられている「ヤマゴボウ」と勘違いし食べて中毒となる事例や、子供が果実を間違って食べてしまう事故などが起きています。
1994年にはヨウシュヤマゴボウの根を味噌漬けにして食べた14名が2時間後に吐き気や嘔吐などの中毒症状を訴えました。
またあるケースでは小学校低学年の男の子がヨウシュヤマゴボウの実をジュースにして砂糖を加え飲んだところ中毒事故を起こし死に至るという事故も起きています。
ヤマゴボウ類のお土産などがよく味噌漬けや粕漬けなどで売られているため、同様に似た名前であるこの「ヨウシュヤマゴボウ」をヤマゴボウと同種と勘違いする事例が多く見受けられます。

激しい腹痛と下痢をもたらす毒性

ヨウシュヤマゴボウは全草に有毒成分を含んでいるため食べることはできません。また特に根と果実に多く含まれているため多量に摂取すると命の危険すら出てきます。
含まれている成分は主にフィトラッカトキシンと呼ばれるもので摂取すると腹痛や嘔吐、下痢に腹痛などが現れます。そして重症化すると痙攣を繰り返すようになり死亡することもあるとても強力な毒成分なのです。またこの成分は皮膚に対しても刺激作用があるため直接肌に果汁などがかからないように注意する必要があります。

何処でも見かける印象深い植物

ヨウシュヤマゴボウという植物は非常に繁殖力が高くどこでも大きく育ちます。都心の線路脇や放置されている空き地など雑草が茂っている場所に一本突き抜けてこの植物が育っているのを一度は見たことがあるのではないでしょうか?
秋ごろになると葡萄に似た赤褐色の赤黒い果実の房をいくつも実らせているため通勤途中に見かけるとついついチラ見してしまう事も多いと聞きます。
都会のど真ん中で巨大に育つその姿は食べたいとは思わずとも何故か気になる存在であることには変わりないですね。

木ではなく草

大きいと2m近くまで育つこの植物を見ていると立派な枝部のせいもあり木のように思いますが、れっきとした草です。したがって秋が終わると地上に出ている葉や幹の部分は全て枯れて朽ちてしまい、寒くなる頃にはすっかり消えてなくなってしまします。そして次の春になるとまた根から新芽が生えて成長を始めます。

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