口の中でとろける独特の触感にほんのりした甘味、スルメイカって本当に美味しいですよね。イカ刺しにイカそうめん、イカリングなどなど…イカを使った料理は数知れず。統計によれば2000年代初期までは日本人が最も食べている魚介食材がイカだったなんていう時期もあるくらい馴染みの深ーい食べ物なのです。
今回はそんな皆が大好きなイカの寄生虫について紹介していきます。

どんな寄生虫がいるの?

アニサキス画像

アニサキス 出典:東京都福祉保健局ホームページ

スルメイカの寄生虫で一番有名なのはアニサキスではないでしょうか。2017年に芸能人がアニサキスに当たり番組を欠席する事態となったのを皮切りに、広くメディアで取り上げられ大きな騒動となったことが記憶に新しい方も多いと思います?

アニサキスは感染するとヒトの胃や腸に穴をあけてしまうため激しい腹痛が特徴です。見た目の気持ち悪さのインパクトとの相乗効果で昔から随分と嫌われています。

しかし何もスルメイカにいる寄生虫はアニサキスだけとは限りません。他にもニベリニアと呼ばれるちょっと聞き慣れない寄生虫が高確率で潜んでいるのです。

ニベリニアとは

ニベリニア単体

ニベリニア 出典:東京都福祉保健局ホームページ

ニベリニアとはスルメイカやスケトウダラの筋肉や体腔たいこう:動物の体と消化管の間にある内臓を納める空間)に高確率で寄生している条虫の一種です。体長は5㎜程度、色は乳白色で見た目は米粒のような姿をしています。生のイカ(冷凍されていないもの)を丸々一匹買ってきてよぉーく観察してみると意外と簡単に発見で来てしまうくらい身近な生き物です。

ウネウネと何匹もイカの周囲をうごめく姿からアニサキス以上にクレームになりやすい迷惑な奴ですが、ヒトには無害で気が付かずに食べてしまっても健康には全く影響ありません。ただ写真を見てもらうと分かるのですが頭部付近にふん:口周囲が前方へ突き出している出し入れ可能な固着器官)がありこれが喉や食道に引っ掛かる可能性があるとされています。

スルメイカにモゴモゴと動きがある生き物を見つけた場合大抵このニベリニアである可能性が高いのでそれほど心配する必要はありません。

寄生虫に対する対策は何?

ニベリニアが無害とはいえ気にせずに食べるのは気が引けるという場合はしっかりと加熱することで死滅させることが出来ます。また低温にも弱いため冷凍庫で数日冷凍処理をすることも有効です。

少し手間ですが調理中にしっかりと目視で確認し一匹ずつ取り除いていくのも可能です。確実にすべてを処理しきるのは手間暇が必要になってくるため、ある程度時間がある場合にやるべきでしょう。