イチイ

一般名称 イチイ
別名 アララギ、オンコ、サクギ、シャクノキ、スオウ、アブラギ、アカギなど
アイヌ語:クネニ、ララマニ
和名 一位(いちい)
英名 Japanese yew
学名 Taxus cuspidata
分類 イチイ目・イチイ科・イチイ属
タイプ 常緑針葉高木
大きさ 高さ:10~25m
花期 3~5月
原産国 日本、中国、朝鮮、シベリアなど。
分布地 北海道~九州にかけて広く分布している。
生育環境 耐寒性が高く、日陰にも強い、寒冷地を中心に温帯地域まで広く自生している。
入手方法 苗木を専門に取り扱う店舗のほうが取り扱いが多く比較的購入しやすい。
購入価格 苗:2000円~
花言葉 「高尚」、「哀しみ」、「 慰め」、「残念」、 「悲しみ」
誕生花 9/23,10/21
危険度 ★★★★☆
有毒成分 タキシン[taxine]
有毒部位 果実(仮種皮)以外の種子、葉、樹皮など全てに有毒成分が含まれている。
中毒症状 嘔吐、悪心、眩暈、痙攣など重度の場合死に至ることもある。
致死量 0.25g
食用部位 赤い仮種皮(かしゅひ:種子の皮のこと)の部位は甘く食べることができる。
誤食部位 種子を誤って飲み込むケースがある。

イチイに含まれる毒

イチイにはタキシンと呼ばれる有毒成分が含まれています。この毒は主に葉や種子に多く、果実のように見える赤い仮種皮にはありません。そのため食用となる果肉を食べている際に誤って種子を飲み込んでしまい、中毒事故が起ることがしばしばあるのです。

◆海外ではイチイが原因で起きる植物中毒は常に上位に入るほどです。

中毒症状

タキシンを摂取すると嘔吐や悪心、眩暈、呼吸困難、痙攣などの中毒症状が表れ、重症化すると死に至ることもあります。毒性が強い種子を3~4粒ほど飲み込んだだけでも危険な場合があるとされ、子供が食べているときは特に注意が必要です。

◆人だけでなく過去には牛や犬による中毒事故も起きていてペットなどが誤って食べてしまわないようにしなければいけません。

またイチイによる中毒の症例は急性に経過することが多く、例えば致死量を摂取すると即座に心臓麻痺を起こして死んでしまうなど、死んで初めて中毒になったことがわかるという非常に恐ろしい性質を持っているのです。

抗がん剤としても有名

イチイの近縁種である北米産の西洋イチイの樹皮から抽出されるタキソール[taxol]という成分は癌の治療薬として有効であることが知られています。

◆タキソールは卵巣がん、肺がん、消化器がんなどで使用されている薬剤です。

名前の由来

イチイの名前は王朝時に一位の高官が持つ笏(しゃく:中国 において 束帯 の着用の際、右手に持つ細長い板のこと)を作る材料がイチイだったことが由来とされています。