外形 チョウセンアサガオの花
一般名 チョウセンアサガオ
別名 ダチュラ、曼陀羅華(まんだらけ)、気違い茄子(きちがいなすび)、トランペットフラワー、ロコ草、イガナス、オメキグサ、ワメキグサ、外科コロシ、キチガイゴマなど
和名 朝鮮朝顔(ちょうせんあさがお)
英名 Angel’s trumpet(エンジェル・トランペット)
Devil’s trumpet(デビルズ・トランペット)
Metel(ミートゥ)
downy thorn apple(ダウニィ・ソーン・アップル)
horn-of-plenty(ホーン・オブ・プレンティ)
学名 Datura metel L.(ダチュラ・ミートゥ)
分類 ナス目・ナス科・チョウセンアサガオ属
形態 一年草
大きさ 草丈:1m以上
花 :15~20cm・漏斗状の白花
葉 :10~20cm・卵型
果実:2~3cm・球形で短い棘が無数にある
花期 時期:7~9月
季節:夏~秋
原産国 熱帯アジア、熱帯アメリカ
分布地 本州、四国。九州など全国に分布している。園芸用として家庭の花壇などで栽培されていることもある。
生育環境 草地や空き地などで自生している。
入手方法 園芸店やネット通販で購入することができるが、野生化しているものを採取するのもよい。
購入価格 苗:500円~
種:800円~(10~20粒入り)
花言葉 「偽りの魅力」「愛敬」「変装」「夢の中」「あなたを酔わせる」「愛嬌」
誕生花 8/9、8/17、9/24,10/5,10/23
危険度 ★★★★★(猛毒)
有毒成分 スコポラミン(scopolamine)
ヒヨスチアミン(hyoscyamine)
アトロピン(atropin)
有毒部位 根、茎、葉、種子など全草に有毒成分が含まれている。(根には毒が少ないと言われている)
中毒症状 吐気、腹痛、頭痛、眩暈、身体の痺れなど、重度の場合言語障害、幻覚、錯乱状態、呼吸停止などで死に至る。
致死量 スコポラミン:8㎎/㎏
食用部位 不可、絶対に食べてはいけない。
誤食部位 根をゴボウと間違えやすい。
種子を黒ゴマと間違えやすい。
開花前の蕾をオクラと間違えやすい。
葉をモロヘイヤやアシタバなどと間違えやすい。
備考 ◆アサガオと名前が付いているがナス科の植物である。
◆果実は球形で短いとげが無数に伸びている。熟すと割れて中には黒ゴマに似た種が出てくる。
◆仲間にアメリカチョウセンアサガオ、ヨウシュチョウセンアサガオ、シロバナ…、チダチ…、ヤエザキ…、などの種類がありいずれも有毒で強い毒性を持っている。
◆同じナス科の有毒植物の中にハシロドコロ、ベラドンナ、ヒヨス、マンドレイクなどがありいずれも非常に強力なベラドンアルカロイドの毒を保有している。
◆全草に独特の臭気がある。

チョウセンアサガオの毒性

チョウセンアサガオの果実:球形の表面にはびっしりと棘が付いている。中にゴマの様な種子が入っている

エンジェルトランペットの花

チョウセンアサガオはナス科の一年草で、エンゼルトランペットやダチュラなどの名称で販売されています。元は熱帯アジアに自生し日本へは薬草として江戸時代に渡来しました。

古くから薬用作用があることでも知られている植物で、世界初の全身麻酔薬として手術などでも使われていました。しかし一方で幻覚症状などを引き起こす強い毒性がある危険な植物としても有名なのです。

保有する毒の主成分はヒヨスチアミンやスコポラミンなどのトロパンアルカロイドで神経節の伝達を遮断する作用があります。
根、茎、葉、花など全草に有毒成分を含んでおり、その中において根は保有する毒の量が少ないと言われています、しかし別書籍においては根には多くの有毒成分が含まれているとも記載されているものもあります。ただ多いか少ないかというのは、どちらにしても人が食べると危険なことには変わりはないためあまり意味はないと考えられます。

またエンゼルトランペットなどの木立タイプのものよりも、ダチュラなどの草本類の種類のほうが毒性は強いとされています。
これらを口から摂取することで中毒症状を引き起こし、特に根をゴボウと間違えて食べる事故が多く報告されています。

中毒症状

主な症状は口から摂取することで起きる吐気やめまい、頭痛、腹痛、身体の痺れなどの中毒症状であり重度になると言語障害や幻聴、幻覚、呼吸停止などによって死亡する場合もあります。

また花の香りを嗅いだだけでも吐き気やめまいを引き起こすといった症状や、葉や茎などから出る微量の汁液が眼に入ることによって瞳孔散大による視力低下もしくは最悪失明の危険すらあるとも言います。
他にも種子をタバコのように吸引すると健忘症状が表れ直前のことを記憶することができなくなるといった特徴もあります。

◆チョウセンアサガオを付けていた水を飲んだだけでも中毒症状になった事例がある。
◆チョウセンアサガオは食べた後に興奮状態や幻覚、幻聴などの作用によって突然泣き出したり、発狂したりとその狂乱状態の様な症状はハシリドコロに共通する部分がみられるがその毒性はこちらの方が強いと言われている。

薬用作用

一般的に鎮痛、鎮静、鎮痙などに効果が知られており、全身麻酔としての用途以外にも胃痙攣や喘息に対して効果があります。ただしこれも専門家が処方した場合に限りであり、一般人が民間療法で使うと事故の元になるため絶対に手を出さないようにしましょう。