ベラドンナ
基本情報
一般名 ベラドンナ
別名
  • セイヨウハシリドコロ
  • オオハシリドコロ
  • 悪魔の草
  • 顛茄(中国名:テンカ)
和名 狼茄子(おおかみなすび)
英名
  • Deadly nightshade(デッドリー・ナイトシェード)
  • Belladonna(ベラドンナ)
学名 Atropa bella-donna(アトロパ・ベラドンア)
分類 目:ナス目
科:ナス科
属:オオカミナスビ属
形態 園芸分類:
形態  :多年草
大きさ 草丈:50cm~2m
葉 :5~20cm
花 :4~5cm
果実:1~2cm
花期 時期:6~9月
季節:初夏~秋
原産国 ヒマラヤ山系、ヨーロッパ中南部、西アジア
分布地 東北地方や北海道などに野生化したものが自生している他薬用として栽培もされている。
生育環境 耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
入手難度 ★★★★☆☆(中)
入手方法 通常の園芸店では取り扱いは先ずない。ネットで探すとわずかに取り扱っているサイトを見かけることができる。日本では中部~東北地方で野生化しているため自分で採取するのもよし。
購入価格 種:20粒・600円~
花言葉 「人を騙す者の魅力」「沈黙」「汝を呪う」
誕生花
毒性
危険度 ★★★★★★(高)
有毒成分
  • アトロピン(atropine)
  • スコポラミン(scopolamine)
  • ヒヨスチアミン(hyoscyamine)
有毒部位 根、茎、葉、果実など全草に毒を含み、特に根や根茎に多い。
中毒症状
  • アトロピン・ヒヨスチアミン:興奮、幻覚、昏睡、口渇、発熱、血圧低下、体温低下、痙攣、視力障害など
  • スコポラミン:興奮、幻聴、頭痛、眩暈、散瞳、眠気など多量摂取により意識喪失、呼吸抑制など。
致死量
  • LD50:アトロピン750㎎/㎏(ラット、経口)
  • LD50:スコポラミン3800㎎/㎏(ラット、皮下)
食用部位 食用不可
誤食部位 海外では果実をブルーベリーと勘違いし誤食した事例がある。
類似植物
備考
  • バラのベラドンナやベラドンナ・リリー(別名:ホンアマリリス)と呼ばれる名前が似ている植物があるがそれらはこの品種と全く関係がない。
  • ベラドンナの汁液を薄めて目に点眼するとアトロピンの効果により瞳孔が開いて美しく見えることからベラドンナ(美しい貴婦人)の名前が付けられた。
  • 医療用に使われることが多いが毒性が強く危険であるため個人では絶対に使ってはいけない。
  • アトロピンはサリンの解毒薬として使われた。
薬用効果
生薬名 葉:ベラドンナ葉(ベラドンナヨウ)、顚花(テンカ)
根:ベラドンナ根(ベラドンナコン)、ベラドンナエキス
効能 鎮痛、鎮痙、止汗、散瞳、胃潰瘍、眼圧亢進、副交感神経遮断、神経痛、百日咳、睡眠薬など
取り扱い 毒性が強いため素人の民間利用は絶対にしてはいけない。

ベラドンナの毒性

ベラドンナはナス科の多年草でヨーロッパや西アジア、ヒマラヤ山系に分布しています。日本へは明治初期に薬草として渡来し、主に寒冷地で栽培されている他、野生化したものが高山植物として中部、東北地方、北海道などに自生しています。

ベラドンナの汁液には瞳孔を拡大する成分が含まれていることが知られていて、昔は薄めた液を点眼することで眼を大きく美しく見せるために使っていたのだそうです。ベラドンナ(美しい貴婦人)という名前の由来もここからきています。

薬用効果

薬用効果として鎮痛、止汗、散瞳、眼圧亢進、気管支筋弛緩などの作用があり、神経痛や百日咳などの治療薬としても使われています。ただし素人が使うには毒性が強すぎるため絶対に使ってはいけません。

中毒症状

含まれる毒の成分はアトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミンなどのアルカロイドで全草に含まれています。
主な中毒症状は口の渇き、目のかすみ、心拍数増加など多量に摂取すると意識障害や幻覚、痙攣など最悪死に至ることもあると言います。特に根茎や根の部分の毒性は強いため少量の摂取でも危険とされています。

近年ではベラドンナの種や苗を取り扱う業者がちらほら見受けられるようになりました。通販で気軽に購入することもできるため園芸植物として個人で楽しむ分には全く問題ありませんが猛毒を持つ植物のため子供やペットが誤って口にしてしまわないように取り扱いには注意しましょう。

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