スイセン
一般名称 | スイセン |
別名 | 日本水仙(にほんずいせん)、雪中花(せっちゅうか)、雅客(がかく) |
和名 | 水仙 |
英名 | grand emperor、sacred Chinese lily、new year lily 【イギリス】daffodil(ダフォディル)、asphodel(アスフォデル) |
学名 | Narcissus spp.(ナーシサス) |
分類 | ユリ目・ヒガンバナ科・スイセン属 |
タイプ | 多年生草本 |
大きさ | 長さ30~40cm 幅1~1.8cm程 |
花期 | 1~4月 |
原産国 | スペイン、ポルトガル、地中海沿岸、アフリカ北部 |
分布地域 | 日本中一般家庭の花壇などで良く植えられている |
自生地 | 日の当たる水はけのよい場所に野生化していることもある。 |
入手方法 | 園芸店で購入可能 |
購入価格 | 球根:5玉800円~ |
花言葉 | 【スイセン全般】「うぬぼれ」「自己愛」 【ラッパスイセン】「尊敬」「報われぬ恋」 【クチベニズイセン】「素敵な装い」 |
誕生花 | 【白】1/3,1/4,1/13 【黄】1/2,1/4、4/3 【ラッパスイセン】1/16、2/9、2/16、3/1 |
危険度 | ★★☆☆☆ |
有毒成分 | リコリン、タゼチン、ガランタミン、シュウ酸カルシウム等 |
有毒部位 | 全草に毒が含まれていて、鱗茎に特に毒成分が多く含まれている。 |
中毒症状 | 嘔吐、胃腸炎、下痢、頭痛、悪心、発汗、昏睡、低体温など。 30分程度の短い潜伏期間の後に発症する場合が多い。 シュウ酸カルシウムは接触性皮膚炎を引き起こす。 後遺症の該当データ無し。 |
致死量 | 2~3gで中毒症状が表れ一般的な致死量は10g。 |
食用部位 | 全て食べることはできない。 |
誤食部位 | 葉はニラ、アサツキ、ノビルと間違いやすい。 鱗茎は玉ねぎと間違えやすい。 |
スイセンの毒性
厚生労働省によると平成23年から令和2年の10年間のうちスイセンによる食中毒事故は62件起きており、有毒植物における事故件数では最多となっています。
スイセンの葉をニラと間違えるて食べるという事例はTVやネットニュースで毎年の風物詩のように放送されているため一度は見たことがある人もいると思います。
基本的に両者は同じ場所で販売されていることはなく(…食品と園芸植物のため)誤食事故というのは大概が家庭内でニラとスイセン両方を育てているパターンが多いのが現状です。
有毒植物による食中毒件数
以下の表を見てもらうとスイセンによる食中毒件数はダントツに多いのが分かると思います。患者数こそジャガイモがトップですが、ニラの発生頻度は3倍以上となっています。
植物名 | 事故件数 | 患者人数 |
スイセン | 62 | 207 |
ジャガイモ | 18 | 285 |
チョウセンアサガオ | 13 | 36 |
バイケイソウ | 18 | 40 |
クワズイモ | 17 | 40 |
イヌサフラン | 17 | 24 |
トリカブト | 9 | 17 |
コバイケイソウ | 4 | 9 |
ヨウシュヤマゴボウ | 4 | 4 |
食中毒事例
- 2009年に兵庫県の施設にて職員が自宅で栽培していたスイセンをニラと勘違いして持ち込み、食事に入れられたスイセンの葉を食べた男女8人が嘔吐や下痢などの症状を訴えた。
- 2020年広島、自宅敷地内に自生していたスイセンをニラと間違えて食べ、嘔吐や下のしびれなど食中毒症状を発症。
- 2021年佐賀県、民家で自生していたスイセンを食べて70代の夫婦が嘔吐などの症状を訴えた。2人とも軽症で回復したとのこと。
他にも八百屋が自生していたスイセンをニラと勘違いし採取し自分の店で販売したという事故や、アサツキと間違えて食べ死亡した例もあるとのことです。
海外でも頻繁に起きている
スペインやポルトガル、ドイツなどヨーロッパで広く自生しているラッパスイセンですが海外でも鱗茎を食べたことによる中毒事故が頻繁に起きています。
食中毒症状
リコリン
リコリンはアルカロイド類の有毒成分でスイセンの全草に含まれています。食後30分ほどの早い段階で症状が表れるのが特徴で悪心、嘔吐、下痢、発汗、頭痛などの症状を引き起こします。
シュウ酸カルシウム
スイセンにはシュウ酸カルシウムという成分が含まれておりスイセンの体液に触れると接触性皮膚炎症状を引き起こすため素手で触ってはいけません。
食中毒予防のために
- 葉の形状がニラと似ているため間違いやすいが、ニラの場合葉を切るとニンニクのような刺激臭が出る、しかしスイセンの臭いは弱く青臭い。
- スイセンの毒は加熱しても消えない
- 食用の植物と観賞用の植物は並べて植えずに区画をしっかりと分けて育てる。
- 新芽や根だけでは種類の見分けが難しいことがあることを知っておく。
- 食用の野草と確実に判断できないものは絶対に食べないこと。
- 自分で採取してきた植物は人にあげない。
- 専門家が立ち会いものと野草は採取する。